白岳しろnoteがこだわる「サムネイル&タイトル作成術」。一人でも多くの人に記事を読んでもらうためのエッセンスを全て詰め込んでみた
「白岳しろがnoteで一番時間をかけているポイントは?」
こんな質問があったら、迷うこと無くサムネイルとタイトルだと答えます。それはこの2つこそが記事のPV数を左右する最も重要な要素だからです。
PV数=読者が記事をクリックして本文まで辿り着いた数値
noteでは「面白い記事の書き方」がよく話題に上りますが、どんな名文も読まれなければその内容が読者に届くことはありません。
だからこそ当社は記事に触れてもらうことを第一に考えて、長い時では週の半分をサムネイルとタイトルの作成に費やしてきました。
毎日多くの記事が投稿されるnoteの世界で、一体どうしたら読者を惹きつけられるサムネイルやタイトルを作れるのか。
こうしたテーマを掲げて2年近く試行錯誤を繰り返すうちに、それまでオウンドメディア運用やデザインの経験が無かった私でも、少しずつ自分なりの方法論を確立することが出来たのです。
今回の記事では、noteにおけるサムネイルやタイトルの要件を当社視点で説明しながら、その過程で学んだノウハウやエッセンスを惜しみなくお伝えしていければと思います。
Part.1 サムネイルの流儀
いいサムネイルの条件とは?
noteをスタートした頃、デザインの知識や経験が無かった私は専用ソフトではなく使い慣れたパワーポイントでサムネイルを作り始めました。
ちなみに、初めて作ったのがこちらです。
いま見るとパワポ感が強いですが、当時は割と気に入っていました。
そして、その後もサムネイルを作り続けて成長を重ねる中で、自分の認識が大きく変わるきっかけとなったのがこの一枚です。
社員インタビュー「はたらく、はくたけ」で加工担当の徳富さんを取り上げた記事のサムネイル。
写真の美しさはもちろん、虚空を見つめる凛とした表情や身にまとった空気感が、徳富さんの秘めた芯の強さと仕事への覚悟をそのまま体現してくれているように感じたのです。
この時初めてサムネイルの良し悪しはデザインだけではなく、記事の「本質的な面白さ」をいかに表現出来ているかで決まるのだと気付きました。
この辺りから方向性が徐々に固まり始め…
というシンプルな手順を徹底し始めます。
例えば、下記ひとり広報についての記事では
「日々時間に追われる広報にとっての駆け込み寺」というコンセプトを設定し、締切から逃げて当社の広報術へ辿り着くという構図を表現しました。
また当社商品を分類した記事では多くの銘柄からお気に入りを探す難しさを「未知の世界への冒険」になぞらえて、行く先に様々に銘柄が並ぶこんなデザインを採用しています。
あくまで大切なのは記事のテーマではなく、コンセプトを理解すること。
記事を通じて本当に伝えたい要素とは一体何なのかを何度も整理しながら、その真ん中にある幹のような面白さをサムネイルへと落とし込むことを何よりも大切にしてきました。
サムネイルを作る「3つのポイント」
さて、ここからは実際にサムネイル作る上で意識した点を紹介しましょう。
①良い素材は率先して借りる
まず一つ目は「良いクリエイティブは徹底的に借りる」というものです。
上の画像は熊本で伝説的な人気を誇るホットドック「四つ葉」を取り上げた記事ですが、昔ながらのロゴや可愛らしいキッチンカーのイラストなど先方が昔から使っていた良い素材をふんだんに使わせていただきました。
また、南関そうめんの老舗・雪の糸素麺 猿渡製麺所の記事でもHPに使われていた素敵な写真とロゴをお借りしてサムネイルに取り入れています。
プロが作成したクリエイティブはクオリティも高く、サムネイルで使っても映えることが多いため、当社では事前に許可をいただいた上で積極的に活用するようにしています。
全てを自前で作ろうと考える前に「どこかに良い素材はないか」と辺りを見回すだけで、クオリティも大きく向上すると思います。
②フリー素材を抑えよう
その上で、いいクリエイティブが見当たらない場合に役に立つのがフリー素材サイト。今回は当社の使用率が90%を超える2つのページを紹介します。
1.イラストAC
誰もが知る日本最大級のフリー素材サイトですが、個人的に使いやすいと感じている理由が下記のポイントです。
そんなイラストACの画像を使って作成したサムネイルがこちら。
パーツとして使う簡易な素材から、デザインに凝ったイラストまで。
無料とは思えないクオリティの高い画像が多く掲載されており、豊富な品揃えの中から様々な画像を選べるので、ぜひ一度覗いてみてください。
2.Adobe Stock
次に紹介するのが、Adobeが運営するこちらのサイト(有料・無料どちらも有)ですが、下記のような点が気に入って使っています。
日本語での検索も容易で、文化というワードからこんなカラフルな一枚絵に辿り着ける検索性の高さもこのサイトの魅力なんです。
この2つのサイトが当社noteでもエース級の役割を果たしていて、画像に困ったらまずはこのどちらかを探すようにしています。
3.その他
あとは、番外編として一風変わったサイトも紹介しておきます。
・ukiyoestock
こちらは浮世絵風のイラストを配布しているサイトですが、当社は歴史系の記事を書く時によく利用させていただいてます。
フリー素材はメインのサイトを2~3種類と特化型をいくつか揃えておくだけでかなりの数が手に入るので、自社のテイストに合うページを揃えておくことをおすすめします。※利用規約はよく読んでご利用ください。
③「動き」にこだわる
最後は、サムネイルに動きの要素を取り入れることです。
上の画像はUHA味覚糖様とのコラボ記事で作ったサムネイルの草案ですが、初め何度見返しても「どこか面白くない」という印象が拭えませんでした。
そこで何らかの動きを取り入れてみようと考え、思い切って構図を変えてみたのがこちらの画像です。
多すぎるお菓子への驚きや戸惑い、そして挑戦への兆し。当初の画像よりも感情の動きが現れて、より記事の意味合いが伝わる描写になりました。
同じ人物でも動きを取り入れることでその人らしさを表現しやすくなるので、サムネイルには対象の魅力が最大限に発揮されるような躍動感のある写真を使うようにしています。
元力士・肥後ノ城さんにもあえて四股を踏んでもらい、力士という過去と教師という現在が対峙しているような構図が完成しました。
ここまでサムネイルについて説明してきましたが、全てを通じて最も大事なのは「絶対に妥協しないこと」。生涯残る記事の顔を作っているという意識を持って、そのクオリティには最後までこだわり抜いています。
Part.2 タイトルの役割
いざサムネイルが完成したら、次に決めるのが記事のタイトルです。
各社様々なスタイルがありますが、当社では基本的に下記のようなルールを守りながらタイトルを付けるようにしています。
①サムネイルとタイトルのメッセージを分ける
こちらはロアッソ熊本のサポーターさんが白岳の紙パックでハリセンを作った記事ですが、サムネイルとタイトルで別のキーワードを記しています。
サムネイルに書けなかったキーワードをタイトルで補完することによって、より多くの情報を読者に届けるのがその狙いです。
上の記事も「おすすめ書籍3選」と「驚くほど文才のなかった広報担当」というキーワードに分けることで、本好きと広報に興味がある人のどちらのターゲットにもリーチすることを心がけました。
以前noteproの方と面談した時に「サムネイルとタイトルに同じ文言を使っているのはちょっともったいないですね」というアドバイスをいただいて実践し始めましたが、結果として表現の幅が広がったと感じています。
限られたスペースの中で少しでも多くのメッセージを発信するためには有効な手法ですので、是非試してみてください。
②タイトルの前半部と後半部でメッセージを変える
白岳しろnoteのタイトルはかなり長く、普通の企業様であれば平均20~30文字のところを約2倍の60文字以上書いています。
ただその中にも明確なルールがあって、長い文章を2つに分けてそれぞれのパートで別のメッセージを発信しているんです。
まずAのタイトル前半部では固有名詞(人名、地名)や数字などの情報を並べて、客観的な要素からその記事が理解できるように工夫しています。
前半部の文字数は大体20~30文字程度で、小窓でも表示される設計です。
また、前半部最大の役割は読者の興味を引くことなので「世界最大」や「日本一」といった誰もが認識できるワードを意識して使っています。
ただ、本格米焼酎といった業界用語は一般の人にとってはあまり馴染みのない場合も多いので前半部に持ってくる時には注意しなければいけません。
次に、Bのタイトル後半部で実際にその記事で何が起こるのかを主観や動詞を交えて説明するようにしています。
クリックした後の画面で記事の大まかなストーリーを理解出来るのはもちろん、SNSでシェアした時もタイトルの全文が表示されるので、たまたまリンクを目にした人にも記事内容がわかりやすいんですね。
前半でせっかく注目を集めてもどんな記事かを明確にイメージ出来なければ離脱が増えてしまうので、それを防ぐためにBの後半部分で全体像を提示するようにしています。
サムネイルに比べてサラッと書いてしまいがちなタイトルですが、note画面での見え方を研究することでより効果的な活用方法があるはずなので、今後も訴求力を高めるために改善を重ねていくつもりです。
Part3 ふたつでひとつ
さて、今回は白岳しろがこだわるサムネイルとタイトルの活用方法について解説して参りました。
ここまで読んでいただけたらもうおわかりかと思いますが、サムネイルとタイトルはお互いが独立して存在するのではなく、各々の役割を果たしながら協力して読者を記事へと誘導してくれているんですね。
これはあくまで主観ですが、サムネイルとタイトルがビシッと決まった記事は文章もスラスラと進み、公開後の人気も高くなる気がしています。
きっと自分の表現したいことがクリアであればあるほど、記事の輪郭も明確になって読者にもダイレクトに響くんですよね。
というわけで今回の記事は5000文字を超える長文になりましたが、どうしてもこのテーマは一度取り上げてみたかったので余すこと無く書きました。
これからも白岳しろnoteはサムネイル&タイトルに一切妥協すること無く、最高のクオリティを目指して工夫していきますので、是非ご注目ください。
それでは、また来週お会いしましょう!