見出し画像

白岳しろ流「ひとり広報」のnote運用!週1回投稿を一度も休まずに続けてきたポイントについて一挙紹介します

「ひとり広報」という言葉をご存知ですか?

私が初めてこの言葉を知ったのは、前回noteのセミナーに登壇した時です。運営の方からこのフレーズが最近流行っていると教えていただき、セミナーのタイトルにも採用してもらいました。

ベンチャーや中小企業で広報・PR業務を一人で担当する「ひとり広報」。検索すると、多くの関連書籍がヒットします。

そして、そんな私も立派なひとり広報です。

SNS運用、プレスリリース、各種文章作成、イベント、広告、ときには採用面接まで。普段は広報業務だけでなく、様々な仕事を兼務しています。

こんなイメージです

ちなみに、先ほど紹介したセミナーの参加人数は150名にも上りました。

その数を聞いて日本全国にこのテーマに悩む担当者がこんなにも多いことに驚いたのと同時に、これまでの取り組みを発信することで誰かの役に立てるのではと考えるようになりました。

開設以来、週一回のnote投稿を休まず続けてきた当社。ひとり体制でオウンドメディアを運営する過酷さは身をもって理解しているつもりです。

というわけで今回は

①現場視点から見た、ひとり広報の実態
②noteを一度も休まずに発信できたコツ
③こんなに大変なひとり広報の「醍醐味」

といった内容を、普段の業務とnoteの両立というポイントを中心にお伝えしていければと思います。

「ひとり広報」の正体とは?

さて、そもそもひとり広報という言葉がなぜ今の時代にこれほど注目されているのでしょうか。

個人的にその答えは企業規模による広報業務の違いにあると思っています。

これは大企業と中小企業の広報業務の違いをおおまかにまとめた図です。

大企業の場合は商品ラインナップも抱負で、新商品の発売に伴うイベントやPRなどの発信機会も多いため、チームでの広報が基本となります。担当者が広報業務だけに集中できるのも、こうした全体の発信量があってこそ。

膨大な情報を効率的に分担しながら、チームでコミュニケーションをとって発信していくのが大企業型の広報業務となります。

一方、中小企業やベンチャーでは常に広報業務が発生するとは限りません。

大企業に比べるとリリースの数も少ないため、全く広報業務が発生しない時期もあります。だからこそ、広報に加えて他の社内業務も並行して担当する何でも屋スタイルに自然と収束していくんですね。

当社も含め、これまでの中小企業型の広報はこうした突発的な広報業務その他業務の二つによって構成されていました。しかし近年、こうした業務バランスを脅かす新業務が生まれはじめています。

それが、企業SNSの登場です。

広報だけでは一人分の仕事量に満たなかった中小企業でも、企業SNSが入ってくれば話は別。SNSは定期的な発信が重要なので、その日々の発信は固定業務としてひとり広報の重要な役割となります。

元々の業務にSNSも重なって、一担当が常に多くの仕事を抱えている状態がひとり広報の現状ではないかというのが私の見解です。

こうした状況を裏返して考えると、ひとり広報にとって大切なのは様々な仕事をバランスさせていく業務設計だとわかります。

ここからはSNSの中でもnoteにフォーカスして、当社がどのように他業務を担当しながら週一投稿を実現したのかを紹介します。

週一回必ずnoteを投稿するために

noteを始めとするオウンドメディアの運用は、ひとり広報にとって最も負担の大きな業務の一つ。

それはプレスリリースなどは書くべき内容がある程度決まっているのに対して、noteは下記のような工程が発生するからです。

・記事のテーマを決める
・取材交渉や当日の段取りを行う
・取材する
・執筆する
・サムネイルや記事内の画像を作る
・取材相手や社内に記事を確認してもらう
・SNS等での発進準備を行う

noteを書くってこんなに大変

この作業量をこなしながら週一回noteを投稿していくために、ひとり広報として工夫してきた内容をお届けしていきたいと思います。

具体的には、時間の徹底管理社内の協力者を得るの2つです。

時間を徹底管理する

ひとり広報が行き詰まるのは、突発的な仕事が重なって業務量がパンクするというパターンがほとんどだと思います。そうした状態を避けるためにも、当社では月と週単位の時間管理を徹底しました。

月単位/翌月の仕事に取り組む

当社は記事のネタ・取材日・執筆日を事前にスケジューリングしながら、常に翌月の仕事に取り組むようにしています。

ひとり広報として仕事を進めていると先方の予定や急なキャンセルといった自分ではコントロール不可能な要素が発生するので、出来るだけ先回りしてそうした不確実性を潰していく狙いです。

翌月の仕事を行うことで充分なアポイント準備や記事チェックを出来る時間も生まれ、自然と記事の充実にもつながっていきます。

また、書き手の心理的安全性を担保できるのも大事なポイントです。

記事のストックや時間的な余裕が充分にあることで、時間がかかる重めの企画にも積極的に挑戦することが出来ました。ちなみにこの釣りの記事にも構想と準備に一ヶ月以上をかけています。

個人的にいいnoteを書く最大の敵は焦りだと思っているので、ぜひこの一ヶ月先取りの時間術は試して様々な企画にチャレンジしてみてください。

週単位/“ネーム”と“予備日“の重要性

次は週単位ですが、白岳しろnoteではこんな1週間の使い方をしています。

月・火曜日/サムネイル・タイトル・ネーム
水・木曜日/記事執筆
金曜日/記事修正、予備日

この中で特に大切にしているのが、ネーム予備日です。

ネームというのはマンガ業界でいう下書きのこと。いきなり完成品レベルの記事を書くのではなく、内容は粗くても一旦最後まで書き上げてその後で画像を付け加えたり段落を調整していきます。

このネームを取り入れたことで、それまで週半ばまで掛かっていた書き始めが2倍程度早くなりました。また、全体像を早めに把握出来るようになったので、以前と比べて記事のバランスが格段に向上しました。

あと、一週間の中に予備日を設置することも安定運用の上では重要です。

急ぎの仕事が入った場合でも、あらかじめ予備日を置いて調整弁とすることで不測の事態に影響されずにその週に記事を書くことが出来ます。

月・週のスケジュールに関わらず、noteを書く上で大切な時間の心得は余裕保険です。何事も予定通りには進まないという前提で、スケジュールを悲観的に汲んで絶対に原稿を落とさないようにしてきました

社内の協力者を得る

社内の協力者を巻き込んでいくというのも大事なポイントです。当社の場合はスキルネットワークという面で社内の力を積極的に活用しています。

スキル(写真×取材)

こちらは当社noteについて取り上げていただいた記事ですが、私と共にnoteの写真撮影や取材準備などを担当している中山さんの活躍ぶりを取り上げていただいています。

中山さんは元雑誌記者。写真や取材の段取りは私よりも数段上の経験があり、これまでも準備から写真編集まで様々な場面で助けてもらいました。

「自分にはどんなスキルがあり、何を苦手と感じるのか」という部分を棚卸することで、社内の誰に何を依頼すればいいのかが明確化してきます。

ネットワーク(人脈)

また自分だけではリーチできない方々への取材を試みる際は人脈が抱負な社員に積極的に頼りました。写真は当社で30年以上営業を努め、現在も数多くのお客様とのつながりを持っている久保田部長です。

こうしたネットワークによって、自分とはつながりの無かった方々へのインタビューも数々実現することができました。

人吉の街から熊本のプロスポーツまで幅広いテーマの記事を展開できたのも、社内ネットワークを最大限に活用した成果の一つです。

現在は名刺管理アプリなど自社のネットワークを可視化しやすい環境が整い始めているので、自分の枠を超えた記事を書くためにもこうした繋がりは積極的に活用することをおすすめします。

会社には自分たちが考えている以上に、独自のスキルやネットワークを持った社員が多く存在しています。

まずは自分がnoteを通じて何を実現したいのかを考え、適切な人材にそのサポートを依頼することでその可能性も爆発的に広がっていくはずです。

ひとり広報のおもしろさ

ひとり広報は日々様々な対応が必要になる仕事ですが、個人的にはこんなおもしろみがあるとも感じています。

ひとり広報だからこそ感じられる3つの面白さ
①企画を自分でデザインできる
②情報の流れを直に感じることができる
③市場からのフィードバックを受け取れる

分業体制だとなかなか把握しづらい仕事の全体像を体感出来ることこそ、私がひとり広報を担当していて一番楽しいと感じるポイントです。

自分が企画を立ち上げて、情報発信によって企画を形にし、最終的なフィードバックを市場から受け取る。そんな仕事の全体感をまるごと味わえるのが、ひとり広報ならではの醍醐味ではないでしょうか。

ちなみに私は、会社から広報を二人にしたいかと聞かれても「今の状態で大丈夫です!」と答えると思います。こんなに経験を積めて自分に合っている仕事は、他には無いと自信を持って言えますから。

さて、今回はひとり広報の大変さやnote継続のコツについて書いてみましたがいかがでしたか?

いま全国で一生懸命パソコンに向かって文章を書いているひとり広報のみなさんは、私にとってその全員が同じ志を掲げた仲間です。これからも輪を広めていくために情報発信をしていきますのでぜひご注目ください。

それでは、また来週!