(再掲)伝統を継ぐ6代目 高橋 宏枝が描く、心躍るストーリーで顧客とつながる「共感」のかたちと新たな時代を彩る酒文化への挑戦【はたらく、はくたけ#4】
白岳で働くプロフェッショナルの矜持に迫る社員インタビュー「はたらく、はくたけ」。
第4回目は国内外の営業・マーケティング部門を統括する、高橋 宏枝常務が登場です。
普段は営業部門のリーダーとして市場の声に耳を傾けながら、新しい時代に即したお酒の魅力をお客様に提案し続ける宏枝常務。
ひとたびイベントやプロモーションに参加すると、一人でも多くの本格米焼酎ファンを増やすために自ら率先して飲み手とのコミュニケーションを紡ぐ生粋の米焼酎女子です。
そして、以前振り返り記事では紹介しましたが、実はこの白岳しろnoteもそんな宏枝常務の発案から誕生しました。
しかし、それまでにもTwitter、Facebook、Instagramと各種公式SNSを展開していた中で「なぜ新たにnoteを始めようと思ったのか」。その決断の背景にあった想いについては、これまで触れたことがありません。
今回はこの疑問を皮切りに、120年以上の伝統を継ぐ宏枝常務が日々大切にする哲学や未来に向けた挑戦について掘り下げていきたいと思います。
ストーリーが生みだす「共感」の力
--本日はよろしくお願いします。まずはさっそく白岳しろnoteをスタートした背景について教えていただけますか
宏枝常務/よろしくお願いします。まさか、自分がインタビューを受ける側になるとは思ってなかったです(笑)。
まずnoteを始めようと思ったきっかけですが、色々な媒体を調べていく中でnoteは白岳が大事にしているお客様との「共感」を生み出せるメディアだと思いました。
とてもありがたいことに、最近はSNSの進化もあって白岳ファンの横顔や熱い想いを昔よりも深く知れるようになってきています。でも共感という観点で見ると、ただお客様を知るだけでは不十分だとも感じていたんです。
宏枝常務/当社を大事に思っていただいている方々に、今度は私たち蔵元の物語を知っていただく。そんな深い相互理解を通じて、お客様と強いつながりを作れたら素敵だなって昔から考えていました。
そして、そのために大事になるのが手触り感のあるストーリーですよね。
造り手の想いやお酒に込めたこだわりといった温度感溢れる物語をしっかりと文字にして届けていくことで、よりお互いを好きになっていく良いサイクルを作りたかったんです。
この物語性が共感を生むためには不可欠だと思いますし、そんな表現を発信できるメディアを探していた時に出会ったのがnoteだったんですよ。
--そういう意味で、これまでのどの記事が良かったですか
宏枝常務/うーん…どれも良かったので難しいですね(笑)。あえて一つ挙げるとすれば、個人的には「白岳の椅子」のストーリーが大好きです。
宏枝常務/祖父が造った白岳をこよなく愛する水本さんの目線で語っていただいた記事ですが、ここまで愛を注いでいただける熱狂的なファンがいることは造り手にとってこれ以上ない喜びですよね。
この記事を読むことで白岳を造る社員も誇りを持てますし、白岳がどんなお酒なのかを飲む人の目線で伝えられているのもリアルでいいんですよ。
あと、いま私がインタビューを受けているはたらく、はくたけや梅狩りのような社員が出演する記事もとても楽しく読んでいます。
宏枝常務/私は社員に「ブランドの一番の支援者」であってほしいと思っています。一番近い存在の社員が熱狂したり感動している商品って、それだけで熱量が感じられますよね。
楽しそうにお酒を造ったりイベントに没頭している様子を通じて、記事を読んでいる人にも社員の人柄や会社としての盛り上がりが伝わると思うので、いきいきと躍動する社員の記事は今後も楽しみに読んでいきたいです。
変わる市場と変わらない想い
--今の時代は「若者がお酒を飲まなくなっている」と言われていますが
宏枝常務/そうですね。業界内からも悲観的なコメントがよく出てきますが、個人的には「本当にそうなのかな?」って感じますね。
確かに「お酒を飲むこと=カッコいい」という価値観は昔に比べて減りました。でも、今の若い人も各々のスタイルでお酒を楽しんでいますし、逆にその多様化こそチャンスだと感じることも多いんです。
例えば、この白岳KAORU。音楽フェスやアウトドアイベントで提供してみたところ、数日間で数千杯の売上を記録したんですよ。みなさんハイボールやレモンサワーを片手に、イベントを楽しんでらっしゃいましたね。
宏枝常務/大切なのは、若い人たちが楽しんでいる「シーン」をまずは理解してみること。そして、そのシーンを彩るアイテムとしてのお酒を提案することじゃないでしょうか。
そのためにはお酒の知識はもちろん、若い人たちが何に熱狂してどんな活動を楽しんでいるのかということに対しても常にアンテナを張っておく必要があると思っています。
時代が進むごとに世間の嗜好やトレンドも目まぐるしい速さで変化していくので、私たちメーカーもその変化に合わせた提案が必要ですし、なによりこのnoteにこそそんな新しいシーンを創り出して欲しいんです。
宏枝常務/このハーブの記事みたいに、お酒単体ではなく何かと組み合わせて楽しむことで、食事とのペアリング以外にもお酒の楽しみ方や提案の切り口は自ずと広がっていくと信じています。
シーンによって、お酒の楽しみ方は変わる。そう捉え直すことで、お酒の新たな可能性って無限にあるような気がするんですよね。
宏枝常務/あとは市場に合わせて自分たちが変化する一方で、「変わらないこと」も大事にしていきたいです。
見てください、目の前を流れるのは人吉球磨のシンボルで球磨焼酎という文化を育んできた球磨川です。私も学生時代は実家からくま川鉄道に乗って、毎日この川を見ながら通学していました。
いつ眺めても、雄大ですよね。こんな豊かな自然に囲まれて育った私としては、この土地で500年以上続いてきた球磨焼酎というお酒の魅力をありのまま発信していきたいという想いがどこかにあるんですよ。
宏枝常務/熊本から遠く離れた地域で営業活動をしていると、「焼酎といえば芋か麦でしょ?」っていわれることがよくあります。
でも、私たち人吉球磨の人間にとっては焼酎といえばやっぱり米なんです。自分が生まれ育った地域を代表する文化に誇りをもっているからこそ、米焼酎の魅力を純粋に全国の人たちにも知ってほしいなって。
とはいえ、全国で米焼酎を楽しめるようになるにはまだまだ多くのハードルを超えていく必要があります。だからこそ、これからも文化そのものを発信しているという使命感をもって、一歩ずつ地道に進んでいきたいです。
誰かの心を動かし続けていくこと
--最後は定番ですが、しろのラベルに今後の豊富を書いていただけますか?
宏枝常務/あ、そうでした!みなさん、毎回お絵かきしろに目標とかメッセージを書いていただいてますもんね。
でも、これっていざ書くとなるとなかなか難しいなあ…。
宏枝常務/ちょっとだけ、時間をもらっていいですか…?
うーん…どうしようかな…。迷いますね。
はい。いま奇跡的に降りてきたので、書いていきます!
宏枝常務/うん、どうでしょう。
即興で書いた割には、中々いい出来じゃないかなって思うんですけど…。
宏枝常務/はい、それでは発表しますね…。
こちらです!
宏枝常務/ずばり「お客様をワクワクさせろ」です!
今日はストーリーや共感といった割と大きな話もしてきましたが、まずは目の前のお客様がワクワクすることがその全ての起点になると思っています。
裏を返せば、目の前にいるたった一人の心を動かすことが出来ない限り、多くの人を動かすことってやっぱり難しいんですよ。
宏枝常務/追いかけるものは、シンプルでいいと思うんです。
「自分の仕事で誰かをワクワクさせられているか」。営業や製造に関わらず、すべての社員にこの一点だけを突き詰めてもらいたいですし、誰かを感動させるためにもまずは自分たちがワクワクしていて欲しいですね。
そんな社員たちが造ったお酒を届けていくことが出来れば、お客様も自ずとついてきてくれるって信じていますから。
--宏枝常務、ありがとうございました!
宏枝常務/こちらこそ、ありがとうございました。
白岳しろnoteは他社に真似できないブランディングの一端を担ってくれていると思いますので、これからも素敵なストーリーで読む人をワクワクさせていってくださいね。これからも期待しています!