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美味しい梅酒をつくるコツを焼酎造りのプロが徹底解説!朝から社員一同で自社梅園の梅を狩って、午後には梅酒を漬け始める酒蔵ならではのイベントがあまりに楽しすぎた

6月は、ある雨の日のこと。

梅雨が運んでくる煩わしい湿気とnoteのネタが浮かばないイライラで不快指数が最高潮に達しようとしていたその時、1本の電話が掛かってきました。

電話の相手「こんど梅狩りをするんですけど、手伝いに来てみませんか?そのあとに梅酒も漬けますよ。どうせ、noteのネタに困っとっとでしょ?」

まるでこちらの懐事情を見透かしたような、挑発的かつ魅惑的なお誘い…。

当然ながらこの誘いを断れるほどnoteのネタが潤沢にあるわけもなく、今回は満を持して年に1度の社内イベント「梅狩り」に参加して梅酒をつくってみることにしました!


白岳梅園へようこそ

人吉本社から車を走らせること5分。
山を少し登った高台に、白岳の自社梅園があります。

この日は信じられないくらいの晴天で、絶好の梅狩り日和。

到着してあたりを見回すと、今回梅狩りに誘ってくれた電話の主を発見!

この方こそ、梅園を日夜管理してくださっている地元農家の長男さん…

ではなく!

白岳の製造課長を務める那須  慶介(なす  けいすけ)さんです。

普段は焼酎の味や造りを研究している那須さん。この日は梅狩りのまとめ役として早めに到着し、さっそく多くの社員と共に汗を流していました。

-今日はよろしくお願いします!

那須/おお、来てくれたんですね。やっぱネタに困っとったとでしょ!?今日の収穫目標は梅1トンですから、頑張りましょうね。

-(え、1トン!?)が、頑張ります…。

AM 8:30 梅狩りスタート

多くの社員が梅狩りに参加

初めての参加なので「梅狩り開会の儀」とかあるのかなと思いきや、時間になると社員が各々のポジションで作業をスタート。枝になった梅を黙々ともぎると、足元に備え付けられた箱へと入れていきます

初参加の社員には、那須さんが梅の取り方や選び方を丁寧にレクチャー。

-どんな梅を選んだほうが良いんですか?

那須/あんまり神経質にならなくていいんですけど、大ぶりで表面がきれいな梅のほうが味がしっかりしていて梅酒には向いてますね。

おっ!これなんかいい梅ですよ。表面に傷が無くて、丸々と大きいでしょ。

-これまだ青いですよ。もう少し熟した梅のほうがいいんじゃないですか?

那須/大手梅酒メーカーさんなんかは完熟梅を使うことが多いですね。完熟梅は桃のような香りと深い甘みが特徴で、特に女性からの人気が高いんです。

一方、うちの梅酒は他社との差別化を図る意味でも主に青梅を使ってます。青梅を使うことで、お酒好きでも楽しめる梅らしい酸味があってサッパリとした風味の梅酒を目指してるんですよ。

AM 10:00 もぐもぐタイム

10時の休憩時間になると、カーリング同様「もぐもぐタイム」がスタート。

疲れた身体には、甘いものがたまらない。
社員が持ち寄ったお菓子やパンを片手に、自然とトークにも花が咲きます。

AM 10:30 ラストスパート

さて、ここからのラストスパートはダイジェストでお伝えします。このあたりからみんな口数も少なくなって、目の前の梅に全集中し始めました。

狩る!

どんどん、狩る!

とにかく、狩り続ける!

そして、運ぶ!

社員みんなで協力して狩り続けた梅は、重さを量ったあとでトラックの荷台に次々と積み上げられていきます。

梅狩り開始から約3時間が経過したAM11:30に収穫が完了。

この日は、当初の目標通り1トンの梅を社員一同で狩りきりました。

ずっと同じ姿勢で作業していたので体はヘトヘトでしたが、久しぶりに朝から体を動かしてかなり清々しい気分に。みなさん、お疲れ様でした!

まずは焼酎選びから

梅狩りが終わって午後一番に那須さんから呼び出されたのは白岳伝承蔵。

球磨焼酎の歴史や製法を学べて、商品の無料試飲も楽しめる観光蔵です。

「おーい、こっちこっち!」

那須/朝からお疲れ様でした!初めてだからキツかったでしょ?

-めちゃくちゃキツかったですよ…

那須/あはは。まあ、ここからが本番ですよ。
今から朝狩ったばかりの梅を使って、実際に梅酒を漬けていきます。
まずは白岳伝承蔵で、梅酒をつけるための米焼酎を選びましょう。

-うわあ、白岳商品が各種揃ってますね。いろいろ種類があって迷うなあ。

那須/白岳伝承蔵には限定商品を含めて、うちの全商品が置いてますからね。無料試飲もですけど、普通にお買い物も楽しめますよ。

-那須さん、やっぱりうちの焼酎で漬けるなら「白岳しろ」ですよね!?

那須/白岳しろはうちのメインブランドでとても美味しい本格米焼酎ですけど、今回の目的はあくまで梅酒づくりですからね。

梅酒づくりに選ぶなら、ずばりこの一本になります。

那須/「白岳 35度 1800ml」です。

普通の白岳が25度なんで、アルコール度数が高めに造られた白岳ですね。梅酒を漬けると梅の水分やエキスが出てアルコール濃度が下がるので、通常は度数が高い焼酎で漬けるんですよ。

以前、梅酒を商品化した際に20種類ほどサンプルを作って社員同士で味を比較したことがあります。色々な焼酎を試しましたけど、その時に一番好評だったのがこの白岳35度を使った梅酒でした。

那須/この「うめぽん」も白岳の梅酒とデコポン果汁をブレンドしたリキュールで女性からも好評です。ぜひ、飲んでみてください。

さて、焼酎も手に入ったので梅酒をつくりにいきますか!

プロが教える美味しい梅酒の作り方

那須/じゃあ、早速始めていきますね。準備するのは、この4つです。

今回用意した梅酒の材料
焼酎/白岳35度1800ml
青梅/お好みで(今回は900グラム前後)
氷砂糖/青梅よりやや少ない程度
瓶/ホームセンター等にある市販のものでOK

那須/材料の比率ですけど、今回は焼酎2に対して梅1の割合でつくりましょうか。あと氷砂糖を梅よりやや少なくしてキリッと仕上げます。

それじゃ、まず梅の準備です。

梅を処理するポイント

洗ったばかりの青梅

那須/午前中に収穫した青梅を手洗いしてザルにとりました。洗い方は特に決められた方法はないですけど、しっかりと洗ってあげると表面がとても綺麗になるので、丁寧に洗うことがポイントですかね。

ここから1つずつヘタを取っていきます。つまようじで簡単に取れますよ。

那須/ヘタは取らなくても味自体に問題はありませんが、あくまで昔ながらのやり方を忠実に再現したいので今回は取っていきます。ご家庭で作られる場合はヘタは取らなくても問題ないので、ここはお好みで大丈夫です。

最初に「米焼酎」を投入

那須/梅酒の瓶は清潔なものを用意して焼酎から入れていきます。

一升瓶の中身は全部入れきっちゃっていいですよ。

-ちょ、ちょっとまってください!普通、梅と氷砂糖を段々に積んでから焼酎を入れるんじゃないんですか!?

那須/焼酎と梅を入れる順番は前後してもいいですけど、氷砂糖は最後というのが梅酒づくりの鉄則です。梅酒づくりで最も大事なポイントは味のムラを出さないことなんですよ。

那須/氷砂糖は重いので、先に入れちゃうと沈んで底の部分だけ甘くなってしまうんです。だから初めに軽い梅から入れて、その上にフタするように氷砂糖を入れることで全体的に味を均一にするのが基本ですね。

那須/焼酎を入れた瓶に、梅を入れたら次に氷砂糖を上から入れていきます。この時、まんべんなく梅の上に氷砂糖を乗せる意識でやってみてください。

那須/ちなみに、氷砂糖には形が均一で小粒なクリスタルとゴツゴツして大きさもまばらなロックという2つの種類があります。

一般的な氷砂糖はほとんどクリスタルですね。ただ、ロックの方が表面積が大きくて早く溶けやすいので梅酒づくりには向いてるんですよ。

今回は美味しい梅酒をつくるのがテーマなので、ロックを使います。

ロックの氷砂糖

那須/こんな感じで梅を押さえるように氷砂糖を乗せていきます。ここから6ヶ月くらい待てば美味しい梅酒の出来上がりですね。

-梅酒づくりって、意外と簡単なんですね!

那須/そうでしょ?商品の場合は定期的にかき混ぜますけど、家庭で作る場合はこのまま直射日光の当たらない涼しい場所で保管しておくだけで問題なく出来上がります。

今回みたいに自分で狩った梅じゃなくて市販の梅でも美味しい梅酒ができるので、自分だけのブレンドでつくるのも楽しいですよ。

-那須さん、今日は朝から一日ありがとうございました!

那須/白岳に入ったなら一度は梅狩りを経験して欲しかったですからね。おまけに梅酒も漬けたほうがnote的にも盛り上がるでしょ?

秋には「柚ちぎり」っていうイベントも控えているのでまた来てください。こちらこそ手伝ってもらってありがとうございました!

来年もぜひ参加してください。待ってます!

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