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新春の焼酎文化“かっぽ酒”で白岳始め!雪が舞い降りる中、地域のみんなと青竹を切って50年前の光景を蘇らせていく

これまでの人生で忘れられない一杯は?

焼酎の蔵元で働いているとたまに出てくるこんな話題ですが、お酒好きの自分でもまあこれが中々浮かんでこないんですよね。

そうした中、この難しい問いかけに毎回驚くほど明快に答えてくださるのが人吉球磨が生んだ名俳優・中原 丈雄さんです。

PROFILE 中原  丈雄 NAKAHARA  TAKEO
 熊本県人吉市出身/球磨焼酎大使/劇団未来劇場にて数多くの舞台を踏んだ後、映画・テレビ等の映像世界に移る。中島丈博監督作品「おこげ」(1992)にて映画デビュー。

普段は役者として、映画やドラマの舞台で活躍する中原さん。

地元・熊本では当社が提供するTKU「中原丈雄の味わいの刻」やRKKラジオ「くまもとスピリット」にもご出演いただいており、音楽やグルメの幅広い知識とともに米焼酎の魅力を発信し続けています。

そんな中原さんがいつも嬉しそうに話してくれるのが、約50年前にお正月の集まりで飲んでいたというかっぽ酒の想い出です。

穴を開けた青竹に焼酎を流し込み、竹ごと炙って直に燗をつけるかっぽ酒。元旦の朝からお寺に集まって、地元の人たちと酌み交わした竹のいい香りがする白岳がこれまでの人生でも忘れられないお酒になったといいます。

日本中の美味しいものを食してきた中原 丈雄さんの記憶に今でも残り続けるかっぽ酒の味とはいかなるものなのか。白岳を造る蔵元として、この一杯を飲まないわけにはいきません。

というわけで、今回は人吉球磨の焼酎文化と50年前の光景を蘇らせるために地元・多良木町で協力者を探していくことにしました。

地域の力を集結していく

竹というフレーズで真っ先に思い浮かんだのが、悠久農園の矢山 隆広さん。

町の放置竹林を活用した多良木メンマをつくる社会起業家で、その取り組みは以前noteでも紹介しました。

--矢山さん、単刀直入にかっぽ酒って出来ますか?

矢山/僕は竹の加工だったら出来るんですけど、かっぽ酒は挑戦したことが無いんです…。ただ、たらぎ財団の人なら作り方をご存知だと思います。

矢山/地元の農作物を使った加工品づくりや人材育成に取り組む地域商社で、普段から多良木町と外の世界をつなぐイベントを実施されてますから企画の趣旨が伝われば協力していただける可能性もありますよ。

このアドバイスをいただいた直後、たらぎ財団様への企画書をすぐに準備。

資料には企画の概要だけでなく「なぜかっぽ酒を作りたいのか」という想いの部分をしっかりと詰め込みました。

すると、数日後に矢山さんからこんな嬉しい返信が…。

こうして少しずつ地域の輪がつながり、かっぽ酒の実現が一歩前進!

さっそくイベントの詳細を詰めていくために財団が事務所を構えるT_Lab.(ティーラボ)へと向かいます。

地域コミュニティの活性化を目指して2020年にオープンしたこの施設。

多良木町100%出資のもと「持続可能なまちづくり」を達成していくために地元の農作物をリブランディングした加工品づくりや…

地域の交流や学習を促す、コワーキングスペースも展開しているんです。

そして今回、私たちの突然の申し出に対して快く協力していただいたのが、たらぎ財団業務執行理事(COO)の栃原  誠さん。

地元を盛り上げていくために人材育成、商品高度化、ふるさと納税などを積極的に推進している、多良木町が誇るリーダーの一人です。

栃原さんや財団のみなさんとミーティングを重ねて、当初はおぼろげだったイベントの内容も徐々に固まっていきました。

まず、かっぽ酒には中原さんイチオシの「白岳」とすっきりとした「白岳しろ」の2種類を使って焼酎による味の違いを飲み比べていくことに。

また、当日の参加者を財団のみなさんに幅広く募っていただいた結果…

・多良木町に地域おこし協力隊として赴任するJICAのメンバー
・熊本県立大学の地域創生を学習する20歳以上の学生たち
・多良木町の竹について当日取材に来る方々

の参加も決まり、いつの間にか10名を超えるイベントへと拡大しました!

この後、栃原さんと矢山さんによる事前リハーサルや必要な備品などの手配も並行して準備いただき、あっという間に当日を迎えます。

「かっぽ酒イベント」開幕

待ちに待ったイベント当日は絶好のかっぽ酒日和!

早朝から山に集合して、まずは青竹の調達からスタートです。

けもの道を分け入って竹取りに向かうメンバーたち。

竹林に到着すると栃原さんがかっぽ酒に向きの青竹を選定してくれました。

そして実際に切っていくのは、竹林整備のプロフェッショナル矢山さん。

倒れる向きを考えながら、チェーンソーで華麗に切り倒していきます。

こうして作業を続けること約30分…

無事にかっぽ酒用の立派な青竹をゲットしました!

収穫した竹を持って会場に戻ると、参加者のみなさんもすでに到着済み。

なんとこの瞬間にイベントを盛り上げるための演出のような雪が降り始め、全員が掛け声を合わせて高らかに開会が宣言されました!

そんな今回のイベントは50年前の伝統的なスタイルを忠実に再現するため、参加者が協力して出来るだけ手作りにこだわっていきます。

・暖を取るための薪割り

・かっぽ酒を注ぐ竹の加工

・切った青竹を洗う作業

こうした下準備を参加者みんなで分担して進めながら、ついにイベントの目玉・かっぽ酒のセッティングが始まります。

青竹の容器に白岳としろをなみなみと注いで…

火に直接当てると竹が溶けたという事前リハーサルの情報を活かして、炭火が直接当たらない位置に青竹をセッティング。

かっぽ酒の準備も完了して、後は焼酎が温まるのを待つばかり。

そうしている間に以前noteにもご出演いただいた村上精肉店さんが見るからに美味しそうなバーベキューセットを持ってきてくれました。

多良木が誇る自慢のお肉ということで、かっぽ酒が温まる間に炭火を一から起こしてじっくりと焼いていくことに。

こんな感じで美味しい食べ物とお酒が揃って宴の準備も完全に整ったので、いよいよかっぽ酒を楽しんでいきたいと思います。

人生初のかっぽ酒に挑戦!

このたびのイベント実現を祝って、まずは参加者全員で乾杯!

みんなで作業してから美味しいお酒と食事を囲んだことで、参加者同士の距離がいつの間にか近くなっていたのがとても印象的でした。

さて、一方で今回の主役「かっぽ酒」は完成しているのか。

その出来を確かめるためにまず白岳から注いでみることに…。

おお、湯気がしっかりと立ち上って見た目はとてもいい感じ!

焼酎の色がほんのりと黄色がかってるのも味があっていいんですよね。

さあ、いよいよ人生初めてのかっぽ酒に挑戦していきます。

くぅー!竹の香りが焼酎に染み込んでもの凄く旨い!

そしてなにより飲みやすい…。

熱々の焼酎をそのまま飲むので体がどんどん温まってきて、雪が降ってるはずなのに寒さも一瞬にして吹き飛んでいきます。

はあぁ、たまらんですな。

続いて、白岳しろのかっぽ酒もいってみましょう!

あ、さっき飲んだ白岳とは全然後味が違う!

しろの洗練された味に燗をつけたことで花開く感じは確かにありますが、個人的には米の味をダイレクトに感じられた白岳が好みでした。

こんなに美味しいお酒を一人で飲んでいたらもったいないということで、参加者の皆さんにもどんどんおすそ分けしていきます。

ちなみに、こちらの方は普段米焼酎はあまり飲まないとのことでしたが…

「こんなに美味しかったの!?」という嬉しい感想をいただき、何度もおかわりしてくださいました!

また、この日フィールドワークで生徒を引率されていた熊本県立大学の先生にも勧めてみたところ…

竹の風味がそのまま感じられる味わいを気に入っていただき、この日が初対面だったにも関わらず一気に距離が縮まっていきました。

最後はnoteにも出演いただいた、お隣・湯前町出身の庄籠 あずきさん。

元々飲む予定は無かったのですが「あまりにも美味しそうなので…」と急遽かっぽ酒の輪に入っていただき、たくさん飲んでいただきました。

こうして50年前と同じように参加者みんなでかっぽ酒を回し飲んで、笑いの絶えなかった楽しいイベントが無事終了。

ご協力いただいた皆さま、本当にありがとうございました!

ただ一点注意もあって、かっぽ酒はあくまで焼酎のストレート。

飲みやすいので寒い日はついペースが早くなりがちですが、調子に乗るとこんな風に後から効いてくるので飲み方にはくれぐれも注意してくださいね。

開始30分後の私

というわけで、今回は中原 丈雄さんが地元で楽しんでいた思い出の味「かっぽ酒」をみんなで実現してまいりました。

その上で、一日運営して感じたのが面倒臭いことは楽しいということ。

参加者を募ったり、竹を加工したり、リハーサルしたりと決して楽なイベントではありませんが、みんなで汗をかいて協力したからこそ全員に笑顔があふれたんだと思いました。

というわけで、今回は地元で昔から楽しまれてきた「かっぽ酒」を地元のみんなと一緒になって再現してまいりました。

寒い日の飲み方としてはこれ以上無い美味しさですので、ぜひ皆さまも挑戦してみてくださいね。手間はかかりますが、最高のイベントになること間違いなしです!

それではまた来週お会いしましょう!

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