お酒を飲みながら楽しめるボードゲームを大特集!先輩と後輩のプライドをかけた「絶対に負けられない闘い」の火蓋が切って落とされる
暮れも押し迫まった熊本の繁華街。
18:30。少しずつ辺りにネオンが灯り、夜の街も賑わい始めます。
今回そんな小雨混じりの街なかに呼び出したのが、2023年に中途入社した営業担当の髙森君です。
過去には魚釣りや球磨焼酎案内人の記事にも出演してくれた良き後輩。
最近では仕事においても持ち前のセンスと行動力を発揮して、社内外から頼られる人材へと着実な成長を遂げています。
普通であれば、こうした後輩の成長は素直に喜ぶもの。
しかし、私は一人こう考えていました。
「いかんな…」
あまりにも絶好調すぎる…。
ここらで一度「負け」を教えて上には上がいることを叩き込まねば、日頃は謙虚な彼もいつか天狗になってしまうかもしれない…。
そう、これは可愛い子を千尋の谷へと落とす親ライオンゆえの愛なのです。
ただし、彼はインターハイ出場経験もあるほどスポーツが万能。元帰宅部エースの私がまともに戦って勝てる相手ではありません。
そこで注目したのが、最近ブームとなっているボードゲームです。
運動が出来ない自分でもこれなら勝てる…。
そう確信した私はまだ状況が飲み込めない彼をエレベーターに引き入れました。
ということで、今回はお酒と楽しめるおすすめボードゲームを紹介しながら、先輩後輩が火花を散らすガチンコ勝負をお届けします!
ボードゲームカフェとは?
このたび、戦いの舞台に選んだのが2017年に熊本初のボードゲームカフェとしてオープンしたHello Helloさんです。
人生初のお店を目の前にして、緊張気味に扉を開く二人。
「いらっしゃいませ」
そんな私たちを優しい笑顔で迎えてくれたのが、こちらの森店長でした。
--こちらはボードゲームのお店なんですか?
森店長/はい。ここはお酒やソフトドリンクを飲みながらボードゲームを楽しんでいただけるカフェなんです。
こちらが当店のシステム表になります。
--なるほど。ちなみに僕たちボードゲーム未経験なんですけど…
森店長/全然大丈夫です!
ご来店される方の約7割はボードゲーム未経験で、お一人で来られるお客様も多いんですよ。ゲームの種類やルールについては私がしっかりとお教えしますのでご安心ください。
それではお席にご案内しますね。
白を基調にした明るい店内では壁一面に世界中のボードゲームが並べられ、その豊富な種類に二人ともただただ驚くばかり。
そして勝負のお供に私はしろロック、髙森君はKAORUハイボールをオーダーします。
ここで改めて今回の趣旨を説明することに。
--というわけでさ…先輩相手だからってわざと負けるとか本当に無しね
髙森/なんで僕がわざと負けるんですか?部活時代から負けるのが一番嫌いでしたし、普通にやってもまず負けないと思いますよ。
--(こ、こいつ…)
この瞬間、バトルはいよいよ本気モードへ。ここからお互いの意地とプライドをかけた仁義なき戦いが始まります。
一戦目「ガイスター」
数あるボードゲームの中から森店長が一戦目に選んでくれたのが、こちらの「ガイスター」です。
森店長/これはいいオバケ(青)と悪いオバケ(赤)を動かしながら勝ちを狙うゲームで、勝負はこのボード上で行われます。
森店長/まず赤と青のオバケが4個ずつ配られるので、相手から色が見えないよう自陣に並べてください。配置は自由に決めてOKです。
森店長/オバケはタテとヨコに一マスずつ進むめて、将棋やチェスのように相手のコマを取ることが出来ます。
そして、こちらがガイスターで勝つための条件です。
森店長/自分がいいオバケ(青)を4つ取るか、相手に悪いオバケ(赤)を4つ取らせたら勝ちになります。
あとは相手陣地のこのマスに辿り着いて自分のコマを外に出しても勝ちですが、ここから出られるのはいいオバケ(青)だけです。
森店長/ガイスターは相手の色が見えない中でコマを取り合う究極の心理戦ですので、まずは実際にやりながら覚えていきましょう!
ゲームを始める前にお互いの健闘を祈って米焼酎で乾杯。
じゃんけんで先攻・後攻を決め、ついに闘いの火蓋が切って落とされます。
ゲームの感触を掴むためにも、まずはコマを動かしていくことに…
開始数分で早くもわかったのが、ガイスターは森店長の教え通り相手の考えを読むのがとても大事なゲームだということ。
例えばこの場面。私は悪いオバケ(赤)をわざとゴールに向かわせて、相手に取らせようと誘っています。
ただ、髙森君からはオバケの色が見えないので、このコマが本当にゴールを目指す青色かそれとも罠の赤色かを読む必要があるんです。
こんな読み合いが続いて、徐々に盤上もヒートアップ。
お互い激しい攻防を繰り広げながら…
着実に盤面の状況と
傍らのお酒が進みます。
ゲームはあっという間に終盤戦へ。
「どっちが勝つんだろう…?」なんて呑気に構えていたその時でした。
髙森/先輩、気づいてないでしょ?
私/へっ?
そう。自分のコマに必死な私は彼の周到な罠を完全に見逃していたのです。
髙森/“頭のいい先輩”なら、もうおわかりですよね?
髙森/この一手で「僕の勝ち」です!
髙森/いよっっっしゃぁぁぁぁ!!
こうして一戦目「ガイスター」は後輩・髙森に軍配が上がりました。
一方の私はこの悔しい敗戦でいきなり後がない角番へと追い込まれます。
二戦目「Quarto(クアルト)」
もう負けの許されない二戦目に運ばれたゲームが「Quarto(クアルト)」。
箱を開けると、何やら謎のボードが。
森店長/Quarto(クアルト)はこのボードにコマを並べていくゲームです。
森店長/コマには高さ、穴の有無、色(茶or黒)、形(円柱or直方体)といった違いがありますよね?
森店長/これらのコマを交互に置いて、タテ・ヨコ・ナナメのどれかに同種類のコマを並べたプレーヤーが勝ちになります。
森店長/そして、このゲームで一番面白いのは「自分が選んだコマを相手が置く」というルールなんです。
森店長/自分が置きたい場所じゃなくて、選んだコマを相手がどこに置くのかを読み合うのがQuarto(クアルト)の醍醐味ですね。
それでは第二戦目を始めましょう!
こうしてスタートしたQuartoも先程のガイスターと同じく完全な心理戦。
相手の思考や盤面に集中しながら、置かせるコマを選んでいきます。
ちなみに実際の盤面はこんな感じです。
自分の狙いはあるものの、渡したコマをどこに置くかはあくまで相手次第。
例えばこの場面なんかは相手に渡すコマ次第で即負けが決まります。
上のような選択肢を加味すると私が渡していいコマは穴あり・低い・円柱の一択しか無いことがわかるんですね。
こうしてお互い相手を勝たせないための高度な駆け引きが展開され
その時が訪れたのは、一戦目の余裕から高森氏が勝負終盤にも関わらずKAORUハイボールを口にした瞬間でした。
…………!!!
今度は私の方に天啓が降りてきます。
--(クックック…)ねえ、早く置いて?
髙森/……?
髙森/あっ!ヤバっ…。
もう遅いのだよ、髙森くん。
--いよっっっっっっしゃぁぁぁぁ!
ということで、第二戦「Quarto(クアルト)」は見事に私が勝利!
もちろんこのままでは終われないので、ラスト一戦を交えることに!
長かったボードゲーム対決もいよいよ最終局面へと入っていきます。
最終決戦「ウボンゴ」
もともと予定になかった第三戦。
“すぐに決着がつくゲーム”というリクエストに森店長が選んだのが、こちらのボードゲーム「ウボンゴ」です。
森店長/このゲームは早いと10秒前後で決着がつくゲームです。本当は9戦するんですけど、サドンデスなので一発勝負で行きましょう。
森店長/ウボンゴはどちらが早くパズルを完成さられるかを競うゲームで、先に揃えたほうが「ウボンゴ!」と叫べば勝ちになります。
森店長/サイコロを振って出た目のイラストで使えるパーツが決まります。
まずは多くのパーツから該当するものを見つけていくのが勝つコツですね。
森店長/それでは準備できたらボードに手をおいてください。
いいですか?サイコロ振りますよ。
それではスタート!
森店長の合砲とともに始まった最終対決「ウボンゴ」。
これが単純に見えて結構難しく、パーツ集めから難航気味の二人。
簡単なはずなのに、焦りからこれがなかなか上手くはまらないんです。
そして、ゲーム開始から約20秒。
ついに“あの言葉”が店内に響き渡る瞬間が訪れました。
勝利の快哉をあげたのは…
ウボンゴーーーー!
髙森/ウボンゴ!ウボンゴ!ウボンゴーー!!
あああーーーーーーーー!!!!!
負けた…
私の敗北が決定し、後輩に社会の厳しさを教えるためのボードゲーム対決で返り討ちにあって悶えているまさにその時でした。
髙森/先輩、お互い力を尽くしたんで最後は「ノーサイド」でいきませんか?
--我が後輩ながらどんだけいい人なんだ…
こんな出来すぎた後輩の提案で最後はしろとKAORUで乾杯して
一日戦ったお互いの健闘を称え合あって、先輩後輩のガチンコ勝負は終了。
でもやっぱり負けたのは悔しいなあ…。
そんな私に森店長が「酒蔵を経営するボードゲームもありますよ」と教えてくれたので、次回はこちらでリベンジを狙います!
というわけで、今回は初心者でもお酒を飲みながら楽しめるボードゲームの世界を紹介してまいりました。
初心者でも森店長が優しくルールから教えてくるのでぜひみなさまも「Hello Hello」でゲームとお酒を楽しんでくださいね。
それでは、また来週お会いしましょう!