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デザイン書道家と営業サポートという2つの顔を持つ異才・山本 ひとみ。全ての仕事を顧客起点で紡ぎ出す、そのプロ意識に迫る【はたらく、はくたけ#5】

白岳で働くプロフェッショナルの矜持に迫る社員インタビュー「はたらく、はくたけ」

第5回は、当社福岡支店で営業のサポートから各種販促物のデザイン・作成まで幅広い業務を担当する山本 ひとみさんの登場です。

PROFILE 山本  ひとみ
高橋酒造株式会社 福岡支店/営業サポートとしてデザインを中心とした業務に従事する傍ら、デザイン書道家としても活躍する異色のキャリアをもつ

入社して10年以上、全社的な営業支援に取り組んできた山本さん。

日々のお客様とのやり取りはもちろんのこと。白岳商品を店頭でPRするためのPOP作成や飲食店で使用されるメニューのデザインなど、持ち前のセンスを活かした販促業務で全国の営業活動を支えています。

そして、そんな山本さんを語る上で忘れてはならないのが、デザイン書道家「やまもとひとみ」としての顔。

長年の書道経験を活かしたデザイン書道という分野で活動し、企業ロゴや商品パッケージをはじめ、年賀状・ポストカード・命名書・贈答額といったあらゆるオーダーに対して自らの筆文字で応え続けてきました。

また、デザインを担当した当社商品「球磨焼酎  市房」のラベルが第20回『日本デザイン書道大賞』に入選するなど、社内を代表するデザイナーとしても日本中にその名を轟かせています。

そんなデザインのクオリティに加え、納期がタイトなイベントや企画のオーダーに対しても期待を超える完成物を納品する山本さん。

こうした職人としてのセンス仕事人としてのプロ意識を融合させた独自の働き方はどこからやってきたのか。今回はそのルーツを掘り下げながら、長年大事にされてきた仕事観に迫ります。

書道、デザイン、そしてキャリア

--まず、書道やデザインに出会ったきっかけを教えていただけますか?

山本/子供のころに習字を始めて、小中高と古典書道に取り組みました。高校も当時は県下でも有数の書道部のある学校に入学したんです。

それから姉の影響もあって、大学ではインテリアデザインを専攻しました。書道は続けながらもデザインと真剣に向き合い始めたのがこの時期で、コンピュータも無い時代なので課題はひたすら手書きで描き上げてましたよ。

書道とデザイン。若い頃に学んだこの二つが時間をかけて結びついたことが、今の仕事にもつながっているんだと思います。

山本さんが書いた「白岳」

山本/大学卒業後は全国チェーンの宝石店でディスプレイや企画を担当する、ショーイングデザイナーという仕事に就きました。それぞれの店舗のコンセプトに合わせて売り場を演出する仕事です。

商品陳列における空間を使うことの大切さ。そして豊富感といった魅せ方など、現場のレイアウトひとつでお客様の気持ちを変えられる販促業務の面白さをこの仕事を通じて初めて知りましたね。

当時の社長にいただいた「商品は踊り子だと思え」という言葉は今でも大事にしています。お酒のPOPを作るときなんかも、主役の商品にどうスポットライトを当てるかを考えてデザインを作り込みますから。

山本/その後フリーのデザイナーとして、ディスプレイ・ロゴ・POPなどのデザインを手掛けながらパソコン教室の講師を担当したり、各種マニュアルを作ったりと多種多様な仕事を経験しました。

「来た仕事は絶対に断らない」という価値観が出来上がったのもこの時期です。フリーは仕事を断ると二度と依頼が来ないので、難しい仕事でも常に期待を超えるという姿勢で臨むようにしてました。

昔、スーパーのチラシで「たまご99円!」みたいなロゴを作った時も、デザインを天井に貼って寝る前に見比べたりしてましたよ。どうせなら、最高のたまご99円!を返したいと思ってたので(笑)。

山本/そんなフリーを経て、当時の支店長に誘われて白岳に入社しました。現在は自社の仕事がメインですが、どんな仕事であってもまずは受けてみるという姿勢はあの頃から変わっていない気がします。

想いをかたちにする「デザイン書道」

「第2回書のひろば 筆文字デザイン賞」で
​毎日新聞社賞(大賞)に輝く

--山本さんが取り組む、デザイン書道ってどんなジャンルなんですか?

山本/デザイン書道は別名「コマーシャルカリグラフィー」とも呼ばれる、広告などの商業シーンで使われる筆文字をいいます。

一般的な古典書道との最大の違いは、どの仕事にも必ずクライアントが存在すること。書家個人の美意識ではなく、企業がPRしたいものや個人の方のご希望に沿って筆文字をデザインしていきます。

例えば、こちらは私がラベルデザインをした白岳の想伝というお酒です。この時は想いが永く続くというコンセプトを表現したいというオーダーでしたので、6~7点の提案内容を修正しながら絞り込んでいきました。

「伝」の最後は普通トメなんですが、永く続く想いを表現するためにトメの部分をあえて伸ばしたいという要望を受けてこの文字が完成したんです。

山本/デザイン書道の主役は、あくまでクライアントなんですよ。

だからこそ、全ての仕事は商品やサービスについての詳細なヒアリングからスタートします。商品を届けるターゲットや全体のレイアウトをすり合わせながら、お客様と二人三脚でデザインの方向性を決めていくんです。

大事なのはデザインの美しさよりも、対象の本質的な魅力を表現すること。最終的なゴールは自然と商品に手が伸びることなので、商品やサービスの抽象的な価値を深いレベルで知ることが大切です。


山本/自分にとってデザイン書道はもちろん仕事ですけど、私は新たな商品やお客様と出会えることが純粋に楽しいです。

「素敵な商品を届けたい」、「子供の名を筆文字で可愛く書いてほしい」。そんな想いを抱いた人たちとの出会いにはご縁を感じますし、そうした想いを託していただけることは表現者としてこれ以上ない幸せですよね。

書道は個人の世界だと思われがちですけど、お客様とともに一つの表現を創り上げていけることがデザイン書道ならではの醍醐味です。

山本/その一方で、お客様の期待を超え続けるために自分をアップデートし続けることも大事にしています。

最新の筆文字やフォント流行色といったトレンドもしっかり勉強していないと時代に合わない表現になりますし、デザイン書道は線質とレイアウトが命なので感性を常に磨き続ける必要もあるんです。

常に自らを高めながらクライアントに寄り添っていくことで、これからも沢山の想いを世に送り出すお手伝いをしていきたいですね。デザイン書道は、私にとってかけがえのないライフワークですから。

二つの仕事を貫く、一つのこだわり

--デザイン書道と営業サポート、各々の仕事でこだわりってありますか?

山本/どちらの仕事も全く同じで、お客様本位で仕事をすることです。

私には書道家という一面があるので職人気質だと思われるかもしれませんが、どの仕事でもクライアントファーストを心掛けています。お客様の喜ぶ顔を見るのが、個人的に一番ワクワク出来る瞬間なんですよね。

そして仕事の成果を決めるのもお客様だと思っているので、その質には特にこだわるようにしてきました。

山本/例えば販促物の依頼が社内から入った場合でも、実際に店舗に行って他業態のPOPを見たり、その年の流行色を調べたりしながら最終的に商品やお店の売上に貢献できるようなデザインを目指します。

自身のこだわりよりも誰かに喜んでいただけることが第一ですし、会社の方針や意向を汲み取りながら自分のオリジナリティを加えてデザインを組み立てることそのものが楽しいんですよね。

年末の特別企画「福箱」の干支ラベルも私がデザインを担当してますけど、その際も複数の案を提出して社内メンバーがベストの一本を選べるようにしているんですよ。

山本/ちなみに、今まで一番書いた文字は「ありがとう」「感謝」です。それはきっと誰もが心に思っている言葉なんだと思いますし、私にとってもそれは変わりません。

私は誰かの援護射撃をしている時のほうが俄然燃えるタイプなんです。書道家として大きな賞をいただくことも嬉しいですけど、営業の方からありがとうって声を掛けてもらえたほうがより嬉しいですから。

アートとしての仕事ではなく、クライアントの満足を突き詰めることで温かなありがとうに触れていくこと。気恥ずかしいですけど、これが私なりに追いかけてきたプロ意識なんだと思います。

山本/今後もクライアントに満足していただくことだけに集中して、真摯に仕事と向き合っていきたいですね。自分より顧客のこだわりを大事にすることが、私にとって一番のこだわりなので。

誰かの笑顔につながり続けること

--最後に今後の抱負を教えていただけますか

山本/今後は、書道を愛するすべての人を応援していきたいと思ってます。

現在も筆文字教室の主宰をしていますし、一時期は母校でアート書道非常勤講師としてデザイン書道を学生に教えていたこともあります。誰かを支援して、その人が成長していく姿を見守ることがやっぱり好きみたいです。

自分が教えたことで殻を一つ破って、大きな成長を遂げているのを見ると本当に感動します。書道家としての活動に加えて、次の世代への指導を通じてデザイン書道の裾の尾を少しでも広げていけたら嬉しいですね。

山本/筆文字でつながったクライアントの皆様、デザイン書道界における後進の育成、そして白岳のお酒を日本中に発信すること。

私の表現や仕事はきっと自分以外の誰かの喜びへとつながっているはずなので、これからも目の前の人を笑顔に変えていくために色々なことに挑戦し続けていきたいと思います。

そんな毎日を積み重ねるうちに、私の周りにはたくさんの「ありがとう」が積み重なっていると信じていますから。

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