今年は新年早々「データ分析」に挑戦!過去3年間の数字を紐解いて、白岳しろnoteがこれから目指すべき道を新春から占ってみた
ご挨拶遅れましたが、あけましておめでとうございます。
さて、今年のお正月は人吉球磨の伝統酒器「ガラチョク」で燗を付けた白岳と美味しいおせちを思いきり満喫してきたので、その勢いに乗ってさっそく新年の抱負を発表していきたいと思います!
と、本来なら言いたいところなのですが…
2025年は少し趣向を変えて、あえて新年最初の記事で白岳しろnoteを振り返る「データ分析」にチャレンジしてみることにしました。
その理由としては、これまでの3年にわたる運用を経て、取り組みを比較・分析をするためのデータが十分に蓄積されてきたこと。
またファクトベースの振り返りによって、今後当社noteが目指すべき方向性をより客観的な視点から見定めたいと考えたことも大きな要因です。
ちなみに今回は執筆を始めた2021年12月~2024年11月までの3期を対象に、日々進化を続けるnote proの分析ツール「アナリティクスβ(ベータ)」から抽出可能なデータのみを活用して分析を進めていくことにします。
これまで書き続けた記事を束ねた時に一体どんな全体像が現れ、私たちはそこから何を見出すことが出来るのか。
この記事では「ベーシック(定量)分析」と「インサイト(定性)分析」の2つを駆使しながら、白岳しろnoteの本質へと迫る旅に出かけます。
「ベーシック分析」で全体像を
ベーシック分析というのは、PV・フォロワー・スキといったnoteの基本的な指標からアカウントの全体像を把握する手法です。
①投稿記事数
まずは最もシンプルな指標でもある、投稿記事数から見ていきましょう。
昨年の新年記事で書きましたが、2024年はそれまで週1回だった投稿を月2回ペースに変更。そのため直近3期の記事投稿数は約半数となりました。
投稿数を絞り込むことで、他業務とのバランスを取りながら記事クオリティを向上させるための意思決定でしたが、この決断がどう数値に反映されているのかも今回のポイントとなります。
②PV数
こうした前提を踏まえて次に見ていくのが、PV(ページビュー)数です。
まず単年ごとの数値を比較してみると、2期(22/12~23/11)のPV数が突出して高かったことがわかります。
この年は投稿数も多く、noteイベントに登壇するなど自社アカウントの露出も増加したため、記事流入の勢いが大きくなったのかもしれません。
その上で注目したいのが、過去3年間の累計PV数です。
注目すべきポイントは、毎年のPVが積み上がって累積数が増えている中で、1記事あたりの平均PV数も並行して年々増加していること。
各期のPVには好不調の波が存在するものの、長い時間軸でみると読者基盤が次第に強くなっていることが数値からも見えてきました。
記事を書き続けることで様々な媒体からの流入やフォロワー獲得が進み、結果的に自社noteを取り巻くファンの層が厚くなっていく。
記事がストックされていくnoteという媒体において、継続がいかに大事な要素かがこのデータからわかってきました。
③スキ数&フォロー数
3番目は、記事への好意度を示す「スキ数」の推移を確認していきます。
その期に書かれた記事のスキ数を比較してみると、3期は投稿自体が減少したこともあり、スキの総数は減少している事がわかりますね。
ただ一方で、1記事あたりの平均スキ数はPV同様に増加傾向にあります。
こうした要因としては、下記の仮説が考えられるのではないでしょうか。
また、こちらは期別のフォロワー増加数をグラフ化したものです。
数値を見ると初年度に150人程度フォロワーが増えて、2・3期は年間に約300人弱ずつの増加していることがわかります。
さらにアナリティクスβのデータで、時期ごとの増減を確認しましょう。
各期のフォロワー獲得状況を見ると、note初投稿のような特別な機会はもちろん、セミナー登壇や振り返り記事といったフォロワーにとって有益な情報を発信しているタイミングで数値が伸びている印象があります。
「フォロワーを獲得したい!」という目的がある場合は、読者の役に立つ情報を意識的に発信してみるのも面白いかもしれません。
④記事の参照元
ベーシック分析のラストは、記事への流入経路をチェックして一体どこから読者が来訪してくれているかを把握していきます。
まず手始めに、1期と2期を比較してみることにしましょう。
初年度はX(旧Twitter)・note・FacebookといったSNSからの流入が全体の半数以上を占めており、2期に入るとSmartNewsやGoogleといったサイトが圧倒的な流入シェアを獲得してますね。
それでは、この勢いで2期と3期を比較していきます。
3期に入るとGoogleとYahooのシェアが全体の60%を超えて、流入のほとんどが検索エンジンからもたらされる状態に変化しました。
個人的には、こうした自社SNS→外部サイト→検索エンジンという順番で流入経路が変化していくことを「noteの外部化」と呼んで大歓迎しています。
noteの立ち上げ時はまだ誰も知らない状態なので自社HPやSNSからの集客が必然的に多くなり(1期)、時間の経過とともに記事への注目が集まって力のある外部サイトからの流入が増加する(2期)。
結果、Googleなどの検索エンジンでも存在感が高まることで(3期)、noteにとどまっていた記事が多くの人の目に触れるようになる。こんな時間経過による読者拡大の流れこそ、noteが外部化していくメリットです。
そして、こうした流入経路の進化を自然と生み出せることも、自社サイトではなくSEOに強いnoteで記事を書くことの大きな利点。
読者がどこから来ているかを知ることで次なる展開も考えやすくなるので、今後も定期的にこの項目はチェックしていくつもりです。
⑤「ベーシック分析」まとめ
ここまで基本的な数値を軸に分析を展開してきましたが、ここで得られた教訓としては「長期的な継続によって、noteの構造は確実に変化する」ということだと思います。
一記事あたりの平均PV、平均スキ数、そして流入経路の外部化…
どの指標にも短期的な好不調の波はあるものの、長期的に見ると各種数値の基盤が確実に強くなっていくことがわかります。
次章では、そんな長期運用にいい影響を与えてくれたのはどんな要素だったのかをインサイト分析を通じて眺めていきましょう。
「インサイト分析」で掘り下げる
インサイト分析はマーケティングの消費者理解によく使われる手法ですが、今回は人気記事を紐解きながら読者に刺さった要素を分析していきます。
まずは、過去3年間でPVが多かった記事のランキングからスタート。
①PV数ランキング TOP5
実際にPV数の多い記事をランキングにしてみると、そのテーマは熊本グルメ・スタートアップ・米焼酎・自社の新商品・スポーツと実に様々。
この情報だけではどんな要因がPVに影響しているか判別できないので、続いて各記事の流入経路をチェックしてみることにしました。
まず1位と3位の大きなシェアを占めているグリーンが目立ちますが、実はこれnote社が連携しているSmartNews経由の流入なんです。
どんな記事がピックアップされるかの基準は不明ですが、SmartNewsに取り上げられることで記事への大きなPVが生まれていることがわかります。
存在感のある外部サイトにピックアップして記事を拡散してもらう手法は、やはりPV獲得における王道であり強い勝ちパターンの一つなんですよね。
次はGoogleからの流入が多かった、PV数2位と4位の記事を分析します。
一言でGoogleからの流入といってもそのパターンは多岐にわたるため、今回は2つの記事を見比べながらPV数の推移に注目していくことにしました。
まずは2位の本格米焼酎の記事から
期間ごとのPVを見ると、記事公開からジリジリと粘り強く数値を伸ばしていることがわかります。典型的なロングテールの波形で、本格米焼酎を検索するユーザーを定期的に獲得していることがわかってきました。
そして、次が4位にランクインした「しろハイボール缶」の記事分析です。
こちらの波形をみると、記事公開時から落ち着いていたPV数がある地点から再び勢いを取り戻して伸びだしていることがわかります。
そして、その要因こそYahooニュースで紹介されたこの記事だったんです。
有名な缶チューハイマニアの方が白岳しろハイボールを記事で試飲したことで、ある日を境にこの記事のPVが伸びたというカラクリだったんですね。
こうして、一見同じような「Googleからの流入」という現象を細かく分析してみると、長期的な自然検索によるPV増と外部サイトからの誘引という異なる流入パターンがあることがわかってきました。
米焼酎のような定期的に検索されるテーマを記事化してきたことや新製品の情報をタイムリーに届けてきたことが、結果としてGoogleにおける自然検索の増加と偶然の大ヒットへとつながっていたんですね。
続いては、読者が付ける「スキ」から人気記事の傾向を把握していきます。
②スキ数ランキング TOP10
こちらは、この3年間で読者からのスキが多かった記事のランキングです。
こちらもPV数と同じく記事テーマは様々ですが、注意深くランキングを観察すると自社noteの「強み」がいくつか浮かび上がってきます。
まず一つ目の注目ポイントが、note戦略・記事の書き方・振り返りといったノウハウ関連の記事がTOP10に4つもランクインしていること。
元々は広報の視点を発信できたらと軽い気持ちで書き始めた記事でしたが、いつの間にか多くのスキが集まる人気シリーズとなり、“わかりやすい”、“タメになる”という嬉しい感想をいただくことも増えました
そして、この傾向から見えてくる1つ目の強みが「構造化と言語化」です。
複雑に入り組んだ事象を構造的に捉えた上で、わかりやすい言葉に翻訳して届けるのは当社noteが得意とする領域。こうしたスキルは本格米焼酎に関する専門的な話題を解説する際にも大いに役立っています。
“興味はあるけど、実際の所よくわからない”テーマをわかりやすい記事へと変換していくタイプの記事づくりは当社の貴重な資産となっています。
そしてスキのランキングから垣間見えてきた、もう一つの特徴がこちら。
冗談のような洞察で恐縮ですが、担当者(私)がサムネイルに出ている記事のランクイン率が非常に高くなっているんですよね。
もちろんこれは私個人の人気ではなく、毎回体を張って色々なことに挑戦するチャレンジ企画に対して多くのスキ姿が集まった結果です。
当社はこれまでひとり広報の体制でnoteに取り組んできました。
普段は大変な思いをすることも多いのですが、改めて思い返すとチャレンジ企画に取り組む上で、実はこんなメリットもあったんです。
基本的に一人で判断できるからこそ画期的な企画にも挑戦しやすく、思いついた企画をスピーディに実行に移すことも可能になります。そして何より、自分が出演するので企画NGが無いことも大きな利点なんですよね。
こうした企画の自由度や機動力はひとり広報を採用する当社ならではの強みなので、これからも挑戦する姿を読者に見せ続けたいと思います。
③「インサイト分析」まとめ
さて、インサイト分析を通じて各種ランキングを見ながら、記事が読まれる仕組みと読者を惹きつける自社の強みを紐解いてまいりました。
PVは主に長く読まれる記事の存在と強い外部サイトからの流入にあり、自社の強みは事象の構造化とチャレンジ力にあることがわかってきました。
冒頭のベーシック分析でnoteは「継続」が大事だと分析しましたが、読者を呼び込む工夫や自社の強みにフォーカスした記事づくりを意識することで、執筆を続けることの効果は指数関数的に大きくなっていくはずです。
今回紹介した各種データはアナリティクスβから簡単に抽出できますので、ぜひ一度試してみてくださいね。
データ分析を終えて~傾向と対策~
今年は新年早々データ分析に取り組んでまいりましたが、いかがでしたか?
ベーシック分析とインサイト分析に取り組む中で、自社noteを運営するのに大事だとわかったのは主に下記3点だったように思います。
noteを書くというシンプルな行動を常に継続しながら、長期的なPV獲得が期待できる定番の記事づくりや外部リンクを活用した流入拡大に取り組み、そのフィードバックを得て自社の強みを磨き込んでいく。
こんなサイクルを愚直に回し続けることが、noteを進化させる一番の近道だといのがデータ分析を終えたいまの率直な印象です。
その上で今後も大事にしたいのが、データはあくまで過去の集積という認識を持って、現状を乗り越えるための一歩を常に踏み出すこと。
これからも、読者の方があっと驚くような事にチャレンジしながら、新たなデータを書き換え続けていきたいと思います。
ということで、新年にも関わらず5000字を超えるボリュームの記事となりましたが、引き続き楽しい記事づくりに励んでまいりますので2025年も白岳しろnoteをよろしくお願いいたします!