熊本市民の台所「子飼商店街」を白岳しろと食べ歩き!その道中で出会った理想の商店街作りに奮闘する若者×ベテランたちのコンビネーションが想像以上に激アツだった
出会いのきっかけは、Instagramでした。
最近インスタで見かける、このホコテンコカイという謎のロゴ。ちょっと気になって調べてみると、なんと熊本で古くから「市民の台所」として親しまれている子飼(こかい)商店街のアカウントではございませんか。
そんな歴史ある商店街がオシャレなロゴを使ってInstagram投稿?
これは、何かが起こっている…
ネタに飢えたnote担当だけが持つ、熱いストーリーと美味しいご飯を嗅ぎ付ける第六感がビビッと反応します。
さっそく直感に身を任せ、公式HPのお問い合わせに取材依頼を送ると「ぜひ、遊びに来てください」という嬉しいお返事が。
というわけで、今回は子飼商店街の取り組みを探りながら、白岳しろと合う商店街グルメをちゃっかり堪能する旅へと出かけます。
子飼商店街、初潜入!
子飼商店街は屋根に覆われた全蓋式アーケードではなく、昔ながらの軒先テントが特徴。この空を見わたせる開放的な作りがなんとも懐かしい。
昔ながらの商店街最高…と思って歩いてると
突然でした。
お出迎えしてくれる可愛いイラスト看板や
ファンキーなシャッターアートなど…
従来の商店街イメージとはかけ離れたアイテムが続々登場。
うーん。なんとも不思議な空間、子飼商店街。
そうしてる間に、待ち合わせ場所の陽月堂(ひづきどう)に到着。
元々は青果店だった店舗をリノベーションして、BARとしても営業する陽月堂。店内はめちゃくちゃオシャレです。
そして、今回取材を受けていただいたのが、こちらのお二人。
子飼商店街の振興プロジェクトを2022年に法人化した株式会社urban directionで、現在も精力的に商店街の取り組みをサポートし続ける代表の和泉さんと副社長の安部さんです。
そんな疑問を、お二人にぶつけていきます。
二人の出会い、商店街との出会い
-二人はそもそもどんな関係だったんですか
和泉/元々は全く面識がありませんでした。
僕は子飼商店街近くの熊本大学を卒業してから、福岡の建築事務所で働いていました。一方で、安部さんは熊本の広告代理店でイベントなどを企画する仕事をしていたんです。
そんな僕たちが出会うことになったのが2018年に始まった子飼商店街のプロジェクトでしたね。僕が建築デザインとブランディング、安部さんが企画・イベント担当として子飼商店街の盛り上げに携わることになりました。
安部/僕たちがプロジェクトに参画したのは、消費税増税や新型コロナウイルスなど、商店街に逆風が吹き始めていた時期でした。
そんな中で、まず議論になったのが活動方針です。やっぱりリアルイベントを実施したい商店街の皆さんと長く残るものに予算を使うべきだという僕たちの間で、大声が飛び交うほど議論が白熱したこともありましたよ。
安部/でも、妥協すること無く意見をぶつけあったことが良かったんだと思います。次第に「自分たちで商店街を変える」という熱が高まってきて、限られた予算の中でも、新しい取り組みがどんどん生まれ始めました。
漫画家の先生とコラボしたオリジナルキャラクターや
ファンを増やすためのInstagram施策など
非接触でも可能な取り組みを中心に展開しました。
また、最近では少しずつリアルイベントも少しずつ復活してきてます。
安部/初めは新しい取り組みに手探りでしたけど、今は子飼商店街の目線に少し近づけたんじゃないかと思っています。
和泉/そうした取り組みが少しずつ実を結んで、いま商店街に新しい風が吹いてきています。今日は安部さんに案内してもらいますので、商店街の個性的な人達や美味しいグルメに触れてみてください。
きっと、楽しい出会いがあると思いますよ。
楽しい商店街歩きスタート!
まずはあの熊本名物から
安部/まずは、昔から商店街にある名物店をご紹介します。からし蓮根の新宅商店さんです。
安部/こちらのからし蓮根は本当に辛味と旨味のバランスが絶品で、味噌入れの技術も名人級です。形がとても綺麗でしょ。
-あら、今日はどしたの?
安部/紹介しますね、こちら社長の新宅さんです。社長、今日は米焼酎の白岳さんが取材に来てくれたんですよ。
新宅/白岳?俺毎日飲んでるよ。今日はうちのからし蓮根をぜひ持ってって。おーい、ちょっと切ってもらえる!
新宅/からし蓮根と一番合うのは米焼酎よ。間違いない。からし蓮根の個性的な味を活かすには、スッキリとした酒じゃないと駄目なの。そういう意味で白岳しろは最高なんじゃないの。
新宅/食べやすように切ってきたから、持ってって。お代…?いらないよ!そのかわり、ぜひ美味しそうに宣伝してちょうだいな!
(ペアリングメモ)
しろハイボールと合わせると、しろの甘みとからし味噌が格別にマッチ。ものの10分で完食。500円という価格も最高!
2件目はお持ち帰り寿司の名店へ
安部/新宅社長のキャラクター強烈だったでしょ(笑)。2軒目も昔から商店街で商売をされている双葉寿司さんです。
安部/双葉寿司さんはお持ち帰り専門店で、味が美味しい上に価格が非常にリーズナブルなので昔から人気のお寿司屋さんですよ。
-はい、いらっしゃい。
安部/こんにちは!大将。
大将/あら、安部さんどうしたの?ふーん、取材かあ。うちは助六やバッテラなんか色々あるけど白岳しろなら握り寿司が間違いないんじゃないかな。
安部/じゃあ、握りをいただきましょうか。
安部/こちらは元々持ち帰り専門店だったんですか。
大将/うちは子飼商店街で50年商売をしてきてるけど、昔は中で食べてもらったよ。まあ、いろんな歴史があって今は持ち帰りだけ。
はい、お待ち。600円ね。
-握り寿司が600円!?
大将/うちは50年間一度も値上げしてないの。やっぱり、お客さんに喜んでもらいたいたいから。ま、一度食べてみてよ。
(ペアリングメモ)
やっぱり寿司にはしろの水割りがベスト。巻物含めて9貫600円のお得さは凄すぎる。シャリとネタのバランスも理想的!
ここらで少し休憩
安部/暑いので、次はちょっと休憩できるお店にご案内します。陽月堂の隣にお店を構えるバナナジュース専門店のBanananさんです!
安部/ここのバナナジュースは若い人から大人気なんです。こんにちわー。
-はーい!あ、安部さんじゃないですか
安部/バナナジュースと並んで大人気のイケメンマスターの清田さんです!
清田/いやいや、イケメンとかいいですよ(笑)。でも、せっかくなんで是非バナナジュースを飲んでいってください。
清田/左が定番の完熟バナナジュースで、右がグリーンバナナ。グリーンババナには青汁が入ってますが、飲みやすいって人気です。あと、うちのジュースは鮮度が命なので5分以内に飲むことをオススメしてます!
清田/美味しいでしょ。僕が市場で直接選んだバナナなので、間違いないと思いますよ。バナナって老若男女嫌いな人がいない果物なので、この魅力をどんどん自分の手で広げていければ嬉しいですね。
-スッキリとした中にバナナの濃厚な甘み。はあ…完全に癒やされた…
最後は惣菜の王道へ
安部/最後は子飼商店街で人気急上昇のから王の唐揚げさんです。
安部/ここは学生からファミリーまで連日多くのお客さんが並んでます。唐揚げはジューシーで冷めても美味しいですし、なんといってもお弁当300円という価格も凄いんです。
安部/すいませーん、唐揚げくださーい!
オーナー/はいよ!って安部さんじゃん(笑)。どうしたの。えっ、取材?
そういうことなら唐揚げ持って帰ってよ、ウチも色んな人に来てもらってるからこういうときはお互い様よ。美味しく撮ってあげて!
(ペアリングメモ)
唐揚げには白岳しろハイボール。表面のカリッとした衣を噛んだ瞬間に溢れてくる肉汁を炭酸で流し込む人類共通の歓びがここに!
日本一の商店街を目指して
和泉/おかえりなさい。結構時間かけて回ってましたね(笑)。でも、今日見てもらった中に僕たちが考える子飼商店街の強みが詰まっていたんじゃないかと思います。
その強みって、ずばり多様性です。
子飼商店街は多くの学校に囲まれていて、昔から住んでらっしゃる方はもちろん高校生や大学生・留学生まで本当に色々な人達が集まりやすい立地なんです。だからこそ、イベントにも他の商店街にはないような独特の活気が生まれると思ってます。
安部/実はこの陽月堂も、そんな多様な人達が昼(陽)と夜(月)に関わらず垣根を超えて集まれる公民館のような場所を目指して作ったんですよ。
和泉/僕たちが目指している理想の商店街像って、そこで働く人たちだけじゃなくて、商店街を利用する人たちも含めてみんなが主体的に動くことで自然と盛り上がってる状態なんです。
だから、今後もみんなが参加できて主体者になれるようなイベントや企画を打ち出していきたいですね。
-活動の「ゴール」ってあるんですか
和泉/うーん、ゴールかあ。難しいなあ。
安部/ベタですけど、日本一の商店街とかどうですか。
和泉/それいいね。僕たちがいなくても自分たちの力でどんどんアイデアを実行して日本一盛り上がってる商店街。結果的に「もう二人はいなくてもいいよ、自分たちで出来るから」とか言われたら最高かもしれない(笑)。
安部/少し寂しくもありますけど、そこ目指して頑張りましょう(笑)!
-本日はありがとうございました!
安部/こちらも取材いただいて嬉しかったです!
和泉/これからも色々な取り組みで子飼商店街盛り上げていくんで、また遊びに来てくださいね。