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日本のBBQ文化を作るインストラクターが本気バーベキューでおもてなし!本場の炭火焼きと米焼酎のアウトドア飲みがもう最強すぎた

「今度、バーベキュー行きません!?」

毎年夏になると勢い余ってこんな誘いを繰り返してきた私ですが、残念ながらここ数年バーベキューに行った記憶がございません。

その場は盛り上がっても、生まれつき不器用な私にとって調理や火起こしのハードルがどうしても高すぎるんですよね。

生粋の不器用

ただ、せっかくお酒の会社に入ったからには、キンキンに冷えた米焼酎を片手に美味しいバーベキューを楽しんでみたい!

そう思って色々調べていると、日本BBQ協会が公認するバーベキューインストラクターという資格に辿り着いたのです。

この方々と一緒なら、きっと理想のバーベキューが実現できる…。

そんな期待を込めてオファーした結果、全面的にご協力いただけることになったのが熊本でインストラクターとして活躍する米村 健さんです。

PROFILE 米村  健   YONEMURA  TAKESHI
日本バーベキュー協会公認インストラクター/普段は介護の仕事に従事しながら、多くのイベントを通じてバーベキューの魅力や楽しさを伝えている

本場のBBQ文化を日本で広げるため、地道に活動を続けてきた米村さん。

道具の使い方や食材の仕込みといった技術面はもちろん、その根底にあるバーベキューの理念を何よりも大切にしてきたといいます。

アメリカで誕生したバーベキューと地元・熊本で生まれた本格米焼酎。

今回は米村さんのBBQ料理をじっくりと味わいながら、2つの食文化が織りなす至高のアウトドア飲みをお届けしていきましょう。

火起こしに挑戦してみよう!

「せっかくだから、景色のいい場所でバーベキューしませんか?」

そんな米村さんの提案を受けてやってきたのは、遠くに有明海を含めた熊本の絶景が一望できる吉無田高原。

時折吹いてくる山からの風を受けながら、さっそく準備に取り掛かります。

米村/それじゃ、まず火起こしから始めていきましょうか。

今日はこのチムニースターターという道具を使って炭に火を付けます。

米村/チムニーって、英語で「煙突」という意味なんです。

初めに火が付きやすい豆炭を敷いて、その上に長持ちする備長炭を置くことで煙突内のような上昇気流を生み出して火を付けます。

米村/うん、いい感じに燃えてますね。大体20分前後で炭に火が付くので、この時間に食材の下ごしらえを進めていきましょう。

--これは何の作業をしてるんですか?

米村/野菜をグリルした時に焦げつかないよう、あらかじめ表面にオリーブオイルを塗っているんです。

パプリカやナスはあえてカットせずに、内側に水分を閉じ込めてみずみずしい焼き上がりを目指していきます。

米村/しっかりと炭に着火したら、こんな感じでグリルに下ろしてください。

せっかくですから炭を並べる工程は一緒にやっていきましょうか。

米村/着火した炭は均等に並べるのではなく、食材を置く場所によって火力を調整できるようにグラデーションを付けて配置するのがポイントです。

米村/OKです!ここまできたら、炭のセッティングは大体完了ですね。

あとはチャコールグリルの蓋をして内部の温度が200℃前後になるように調整したら、いよいよ調理へと移っていきます。

米村/最近は便利な火起こしの道具も出ているので、バーベキューもっとを楽しんでみるために用具に凝ってみるのも面白いと思いますよ。

本物のバーベキュー文化とは

--米村さんは、なぜインストラクターになろうと思ったんですか?

米村/もともと仲間内で盛り上がるのが大好きで、昔からお花見とかでもバーベキューを振る舞ってたんですよ。

そんなある日、友人から「一緒にバーベキュー検定受けない!?」って誘われたのがインストラクターを受験したきっかけでした。

米村/初めは、軽いノリで参加したはずなんですけどね(笑)。

初級インストラクター試験で日本BBQ協会の下城民夫(しもじょうたみお)会長から直接レクチャーを受けた時、本場のテクニックや心構えに圧倒されている自分がいたんです。

これまで自分がやってきたバーベキューは一体何だったんだろうって。

米村/それから改めてバーベキューの面白さに目覚めて、少しずつ新しい道具を買い揃えながら独学で勉強を重ねていきました。

米村/おかげさまでインストラクター歴は10年を超えましたけど、今でも新しいレシピや料理の盛りつけ方については日夜研究を続けています。

塊肉のローストと自家製ピナグレッティモーリョ

--日本とアメリカのバーベキューにはどんな違いがあるんですか?

米村/うーん、そうですね。

まず調理法でいうと、日本の場合は材料をそのまま焼いて食べる焼肉スタイルが一般的ですけど、アメリカは前もって仕込んだ食材を蓋のついたチャコールグリルで時間を掛けて料理するのが特徴です。

米村/基本となるのは「LOW&SLOW(ローアンドスロー)」という、低温でゆっくりとグリルする伝統的なテクニック。

米村/じっくり蒸らしながら焼くことで、素材本来の旨味や食感をそのまま引き出していくのが本場のバーベキューなんです。

グリル野菜の粒マスタードソース

米村/そして文化で比較すると、日本のバーベキューはみんなで楽しむレクリエーションの要素が強いのに対して、アメリカでは一人のホストがお客様をもてなすパーティー文化として発展を遂げてきたんです。

米村/だから向こうではバーベキューの日はお父さんが朝から食材を仕込み、夜から盛大なパーティが始まるなんて光景も珍しくないらしいんですよ。

米村/そういう意味で本場のバーベキューで大切にされているのは料理の味や道具の使い方ではなく、ゲストに心の底から楽しんでもらうためのホスピタリティーだったりします。

海鮮と野菜のアヒージョ

米村/僕も普段は介護士として働いてますし、他のインストラクターを見ても看護師とか普段から誰かを介助するような職種の人が多い気がしますね。

そんな日本人が昔から大切にしてきた「おもてなしの心」にこそ、バーベキューの本質があるんじゃないかって僕は考えてるんです。

米村/その上で僕がインストラクターとして個人的に大切にしているのが、地域の食材や人のつながりをバーベキューの中で表現していくことです。

米村/例えば、いま作っている料理は酒処として有名な秋田県のインストラクターにお酒に合うレシピを相談して教えてもらいました。

自分だけの知識だけでなく、資格者同士のつながりを活かせることもインストラクターならではの強みですから。

鶏むね肉の七滝みそとヨーグルト漬け ゆず胡椒添え

米村/そして、この料理の下味には僕の地元の御船町で七滝元気組という団体が手作りしている「七滝みそ」を使ってみました。

熊本で暮らす僕がバーベキューをするからには、やっぱり地元の美味しい食材を通じてこの土地の素晴らしさを届けたいですからね。

米村/さあ、お待たせしました。全ての料理が完成しましたのでさっそく美味しいお酒と一緒に召し上がってください!

いざ、実食していく!

さあ、待ちに待った実食のお時間がやってまいりました!

この豪華すぎるバーベキュー料理に合わせていくのはもちろん…

アウトドア飲みの代名詞「白岳KAORU星空ハイボール」でございます!

KAORUとソーダ3:1の黄金比率をカップに注いだら、まずは一口…

くぅ、炎天下で飲む一杯はたまりませんねぇ!!!

さあ料理が温かいうちに、まずは贅沢すぎる塊肉からいってみましょう。

自家製のピナグレッティモーリョをたっぷり掛けて、いただきます!

カリッと焼けた香ばしい部分としんなりと柔らかい赤身のコントラストが凄くて、肉の旨味がこれでもかと押し寄せてきます!

そして、パセリやセロリがたっぷり入ったモーリョ(ソース)との相性が抜群なんですよ…。

次は焼いている時から美味しそうだったグリル野菜もいってみましょう!

ホロッホロの食感がたまらないタマネギに…

食べると中から旨味が飛び出してくる、丸ごとパプリカ!

グリル野菜の甘さを粒マスタードの辛味がピリッと締めてくれるんです。いたるところに味つけの素晴らしさが垣間見えてきます。

この美味しすぎるバーベキューの数々に、KAORUが止まらんとですよ!

最後はバケットにたっぷりライドオンした旨味たっぷりのアヒージョと…

七滝みそとゆず胡椒の風味がたまらないしっとりの鶏むね肉を味わって…

これにてインストラクターの本気バーベキューとKAORUの異種格闘技戦は…

見事両者ともに優勝で幕を閉じました!!!

趣向を凝らしたバーベキュー料理と米焼酎の組み合わせで、これまでに体感したことのないアウトドア飲みを実現出来ました!

米村さん、素晴らしいバーベキュー料理をありがとうございました!

最高の風景を目指して

--本当にどの料理も美味しかったです!最後はこれからの抱負を教えていただけますか?

米村/あんなに美味しそうに食べていただけると、嬉しくなりますね(笑)。

これからの抱負としては何か大きな目標を達成するというより、これまで日本BBQ協会が推進してきた「日本に本物のバーベキュー文化を広げる」という理念を今後も地道に体現していきたいです。

特に僕が伝えていきたいのが、本場アメリカのバーベキューで大切にされてきた共食文化という価値観なんですよ。

米村/いつの時代もバーベキューを美味しくしてきたのは高価な食材や卓越したテクニックではなく、その場にいる人たちの息遣いなんです。

同じ場所に集まった人たちが、みんな笑顔で同じものを分け合って食べる。

そんな満たされた空間にこそバーベキューの真髄があると信じているので、 僕もBBQインストラクターとしてこれからも素晴らしい場や美味しい料理を提供できるように勉強を続けていくつもりです。

米村/そして僕が作ったバーベキューが起点となって、自分たちが住む地域への移住や定住がもっと増えてくれたらって思ってます。

地元・熊本を元気にすることも、僕の人生における大きなテーマなんです。その理想を実現するためにも、土地の食材や個性を詰め込んだ自分にしか出来ないバーベキューをこれからも追求してきたいですね。

そこで色々な人が笑っていれば、それが僕にとっての最高の風景ですから。

--米村さん、ありがとうございました!

米村/今日の活動でバーベキューに興味が湧いたら、次回はインストラクター試験にぜひ挑戦してみてください。何でも教えますので(笑)。

今日は暑い中本当にお疲れさまでした。また色々なイベントでご一緒できることを楽しみにしています!