見出し画像

明治17年創業の和菓子店 銀座「空也」が手掛ける極上の餡子(あんこ)と本格米焼酎の出逢いを求めて/WEBマガジン「and SHIRO」#1

今回から始まる、新企画「and SHIRO」

ジャンルにかかわらず、日本で“上質”と称されるブランドの一端に触れながら、その魅力を再発見していくWEBマガジンです。

プレスリリース

「and SHIRO」最大の特徴は、その発信スタイル。

Instagramnoteという性質の異なる2つのSNSを連動させることで、写真や動画といったクリエイティブの視覚的な訴求力とテキストのもつ物語性を組み合わせたハイブリッド型の発信を目指しています。

「and SHIRO」/Instagram ver.

そして、本企画の第一回目を飾るのが老舗和菓子店  銀座「空也」

創業から極上の餡子(あんこ)にこだわり続けてきた銀座の名店で、開店前から予約客が列をなす“空也もなか”は多くの文化人の舌をも虜(とりこ)にしてきた逸品として時代を超えて愛されてきました。

空也もなか

ともに創業120年以上の歴史を誇る空也白岳のコラボレーション。

「変えるもの」と「変えないもの」を常に見極め続ける二つのブランドが出逢う瞬間に迫りながら、伝統と革新のあり方を紐解いていきます。

真心で紡いできた伝統

びっしりと並べられる空也もなか

空也の魂ともいえる餡子(あんこ)づくりから仕上げにいたるまで、銀座の本店で生まれる和菓子は職人たちが丹精を込めた仕事の結晶。

創業以来引き継がれる昔ながらの製法を大事にしながら、変わらぬ工程を日々丁寧に積み重ね続けてきた末に、今の空也があるといいます。

空也が継いできたのは一子相伝の秘技ではなく、和菓子づくりの真髄

材料に一切の妥協を許さず、一つ一つ手間のかかる製法にあえてこだわることで、素材の良さを素直に引き出していく。こうした飾らない仕事の連続にこそ、空也が代々引き継いできた哲学が込められているのです。

また、配達や通販を行わず、店舗だけで販売するという姿勢も「最も美味しい状態で和菓子を提供したい」という空也が貫いてきた矜持の一つ。

いいものを、いいかたちで届ける。

一人でも多くの人たちに届けたいという想いを秘めながらも、目の前のお客様のため、いたずらに規模や売上を追わない。そんな空也の美学に、一世紀以上ものあいだ人々は魅せられてきたのかもしれません。

五代目が見据える文化のかたち

空いろの和菓子としろシリーズ

空也の大切にする丹念な菓子づくりと老舗としてのこだわり。この二つが耕してきた土壌から、いま芽吹こうとする和菓子文化があります。

それが、2011年に空也が立ち上げた新ブランド「空いろ」

「あんこを世界へ」というコンセプトを掲げ、和菓子の一材料として認識されることが多かった餡子を、そのまま食しても楽しめる日本の菓子として再定義したいという想いから誕生したブランドです。

そして、この空いろを立ち上げた人物が銀座 空也の山口  彦之代表。

空也5代目 山口  彦之(やまぐち ひこゆき)代表

型にとらわれない自由な発想伝統への深い理解を持ち合わせる空也の五代目が大切にしたのは、引き継がれてきた伝統はそのままに、新たな和菓子文化を創造していくこと。

「空いろ」にも、いい素材を使い素材の良さをシンプルに引き出す空也の哲学をそのまま継承しています。

伝統の空也、革新の空いろ。故きと新しきと知悉する若き5代目に、空也・空いろの和菓子と白岳の本格米焼酎が織りなす6種類の組み合わせを厳選していただきました。

空也と白岳、120年の時を超えた邂逅

山口代表にご提案いただいたのは伝統と革新、素材と風味という二つのペアリング軸。

ここからは、その世界を覗いてみましょう。

伝統と革新のペアリング

①空也もなか×しろの水割り

テーマは「standard x standard」

空也もなか白岳しろという二つのブランドを代表する組み合わせからは、静謐な空間に佇む、ゆっくりとした時間の流れが醸し出されます。

決して揺るがない、伝統のしなやかさ。力強い味わいと澄みきった口当たりという矛盾を超えた一瞬は、老舗が誇る王道たちにしか生みだすことの出来ない至福の体験です。

②空いろ「ほし」クリームチーズ乗せ×白岳KAORUハイボール

クッキースプーンに、餡子とクリームチーズ。そして、ハイボール。

空いろと白岳KAORUが表現するのは、「re-standard? new-standard!」という既存の価値観を超えていこうとする革新の一歩目。

「和菓子も焼酎も、もっと自由でいい」。そんな声が聴こえてくるような、次の100年を見据えた挑戦心にあふれたペアリングです。食べる餡子飲む香り、新たな時代の食体験がここからスタートします。

③空也双紙×百のストレート

空也の人気生菓子「空也双紙」と究極の米焼酎「百」が魅せてくれるのは、百余年の礎に裏打ちされた味の競演

素朴な威容から静かに放たれる最高級としての気品は、口にするものたち全てを静かに包みながら魅了していきます。

素材と味わいのペアリング

①空也  栗巾着×金しろロック

一粒栗の優しい甘みを金しろの華やかな香りが包み込む

金色の和栗と金しろが奏でる艶やかな空間で生まれるのは、素朴な栗の甘みを樽熟成の重厚な旨味が引き立てるちょっと贅沢なマリアージュ

和菓子と本格米焼酎。その二つが内包する「和」という概念をともに飛び越えようとする、異色のデュエットがここにはありました。

②空也 伽藍餅×銀しろハイボール

季節ごとに品物が移り変わるのも、和菓子の醍醐味。いつもの胡麻求肥に変わって、秋のお彼岸は伽藍(がらん)餅が空也の店頭に並びます。

深みある香りと歯切れのいい食感が楽しい伽藍餅にあわせるのは、鼻を抜けるような吟醸の香りが涼しい銀しろ。一年の中で、楽しめるのはこの時期だけ。夏の終わりと秋の訪れをともに感じることができました。

③空也 蕎麦饅頭×待宵のお湯割り

滋味深い蕎麦饅頭と組み合わせるのが、米麹の香りが芳しく漂ってくる待宵。お湯割りにすることで、蕎麦と山芋の風味と待宵の力強い飲み口がよく馴染む、宵のペアリングです。

好きな音楽や本に囲まれて、蕎麦饅頭と待宵で一人の余韻を愉しむ。

和菓子の甘さに米焼酎のふくよかな香りが深く絡まることで、一日の終りに自分に還れる時間を創り出してくれます。

深まること、飛び出すこと

空也の和菓子に白岳の本格米焼酎を重ねていく中で優しく解かれていったのは、固い殻のように身をまとっていた伝統に対する構え

目の前のペアリングに素直に身を委ねたとき、長い歴史が美味しさを作るのではなく、口にする人々の心を動かし続けてきた味こそが歴史を紡いできたというシンプルな伝統のあり方に気づかされます。

そして、いつも伝統の起点となったのは、未来と通じ合うための革新

次世代を見据えて、新たな価値を世に問い続けていく不断の営み。老舗と呼ばれて久しい空也と白岳が、新しい商品やブランドを通じて波紋を立て続けるのも、伝統と革新が表裏一体と知っているからなのかもしれません。

今回は、空也の和菓子を通じて、日本の上質を旅してまいりました。

WEBマガジン「and SHIRO」では、人々の心を動かし続けてきた名品や極上の体験に寄り添いながら、これまで出会ったことのなかった少しだけ上質な世界の扉を白岳しろと開けていきたいと思います。

それでは、また次なる旅で逢いましょう

 Creator&Model
カメラマン&アートディレクター/河野 涼(KAWANO RYO)
モデル/恵理(ERI)