「球磨焼酎」ってどんなお酒?
前回は「白岳しろ」が本格焼酎にも球磨焼酎にも該当するということをお話した上で、本格焼酎の定義について触れていきました。
今回は人吉球磨を代表する産地ブランド「球磨焼酎」の定義について説明していきたいと思います。
球磨焼酎の蔵元と定義について
まず、一般的にはあまり知られていませんが、現在球磨焼酎を造っている蔵元は上記の27蔵のみ。全ての蔵の商品を合わせるとアイテム数は300以上にのぼります。
そして球磨焼酎の定義についてですが、当社の観光蔵の球磨焼酎ミュージアム白岳伝承蔵のホームページでは
原文を少し簡略した表現にはなりますが、みなさんどう思われましたか?
個人的な感想でいうと、意外と条件厳しくないですか!?
“意外とキビシイ”球磨焼酎として認められるための3条件
①の「原料に国産米のみを使う」という点についてはなんとかクリアできそうですが、②と③は結構大変。
というか、人吉球磨の酒蔵でないとクリアすることはほぼ無理なのです‥。
そう、球磨焼酎は単に人吉球磨で造られている焼酎を指すのではなく、産地、原料、製法を厳しく指定されたブランドなんですね。
「地理的表示の産地指定」と「GIマーク」
そして、球磨焼酎の地域ブランドを厳格にしているのが「地理的表示の産地指定」と「GIマーク」です。
まず地理的表示(geographical indications 略してGI)についてですが、球磨焼酎で言えば「球磨」の部分が地理的表示にあたります。
実は日本で産地呼称が認められている本格焼酎は下記5つのみとなります。
球磨焼酎(熊本)
薩摩焼酎(鹿児島)
壱岐焼酎(長崎)
琉球泡盛(沖縄)
東京島酒(東京)
世界ではボルドー、シャブリ、シャンパーニュなどのワイン、蒸留酒ではスコッチやコニャック、アルマニャックなどが有名な地理的表示となります。
そして「球磨」の地理的表示条件をクリアした製品だけに付与されるのが上記のGIマーク(地理的表示:geographical indications )。
GIには下記のような役割と効果が期待されています。
人吉球磨で500年以上続く「球磨焼酎」は日本を代表するブランドとしてしっかりと守られているんですね。
さて、いかがでしたでしょうか。
今回はあくまで簡単な説明でしたが、球磨焼酎はいろいろな決まり事や条件に基づいた奥の深いお酒だったのです。
そして、前回と今回の記事で「白岳しろ」が本格米焼酎でもあり、球磨焼酎でもあるということが少しだけわかっていただけたら嬉しいです!
次回とその次の回は、白岳しろと2021年を
振り返っていきたいと思います!
それでは、また次回。