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“いい肉の日”はキジを焼き、記事を書く!人吉の名店「きじや」で脂が乗ったキジ肉としろを合わせた瞬間、煙の向こうに楽園が現れた

みなさま、本日11月29日は「いい肉の日」でございます。

日本中が美味しいお肉の話題であふれる年に一度の記念日。せっかく記事を書くなら、私たちも地元・人吉球磨が誇る自慢の肉料理を紹介したい…。

そんなわけで、今回満を持してやってきたのがこちらです。

きじ料理専門店、ずばりその名も「きじや」さん!

人吉駅から車で20分程の木地屋(きじや)町に昔からあるお店で、近くを通るたびレトロな看板を横目に見ては“キジってどんな味がするんだろう”と前から気になっていました。

いい味出てます

これまで老舗が醸し出す特有の雰囲気に飲まれて、なかなか入店まで辿り着けていなかった人吉の名店「きじや」。

今日こそは人生初のキジ肉と白岳しろのマリアージュを楽しみながら、その醍醐味を伝えるという強い決意で入口へと向かいます。

いい肉の日にキジを食べて、いい記事(キジ)を書きたい

今回はそんなお酒と食べる事が大好きなnote担当の熱い想いを、全国でも珍しいきじ料理と一緒にお届けしていきます!

緊張の「きじや」初潜入

緩やかな坂を下ると、さっそく現れたのが格式高い門構え。

こうした風格あるお店に普段から入り慣れていない私は、ぎこちなさ全開で恐る恐る暖簾を潜っていきます。

「すいませ〜ん…」

文字通り蚊の鳴くような声で呼びかけるも店員さんが外されていたので、中へお邪魔して少し辺りを見渡してみることに。

すると

突然私の目に飛び込んできたのがこちら…

美味しく食べるコツは焼きすぎず煮すぎない

まさかの入店5秒で突きつけられた「キジフェッショナルの流儀」。その迫力に思わず立ち尽くしていると…

「いらっしゃいませ」

そう声を掛けてくれたのは「きじや」を取り仕切る、店主の中島 光則さん。

予約時からとても丁寧にご対応いただき、この日も中島さん自ら川沿いのお席まで案内してくれました。

通していただいたのが、こちらの川床のような特等席。

窓も開放できるので球磨川のせせらぎを聞きながら食事を楽しめるんです!この絶景を目の当たりにして、さらに期待が膨らみます。

さあ、お腹が空いている私はすぐさまメニューをチェック。

コースを中心に単品注文にも対応できる万全のお品書き。冬期限定であったかい「きじ鍋」を楽しめるのも嬉しいポイントです。

うーん、どれも美味しそう…。

悩んだ結果、キジ肉の風味をそのまま楽しめそうな「きじ炭焼きコース」(きじ刺し付)を注文することに。

次にお酒ですが、さすがは人吉のお店。

球磨焼酎のお取り扱いも豊富で様々な銘柄が揃ってますね。

ここはもちろん、白岳しろの一択です!

こうして慣れない状況に戸惑いながらも、料理とお酒の注文が完了。

いよいよ、夢にまでみたきじ料理を食してまいります!

人生初、きじ料理との対面

注文して10分ほどで、料理としろが運ばれてまいりました。

ちなみに上から見るとこんな感じです。

まず第一陣としてきたのは前菜とお豆腐と椀物、そしてきじ刺し。

こんなお酒に合いそうな料理を前に飲まんわけにはいかん!ということで、さっそくしろを準備していきます。

しろのグラスとマドラーも完備で一気にテンションが上がります!

グラスにゆっくり注ぐと、あっという間にしろロックの完成。

それでは…

生まれて初めてのきじ料理との出会いに…

カンパーーーイ!

く、くぅぅ…。

うんまいなぁ。

この食べる前の一杯がお酒好きにはたまらんとですよ。

喉も潤ったので、きじ料理を堪能してまいります!

まず初めにきじ刺しから。

玉ねぎに絡めたキジの身を生姜醤油に付けていただきます…

すごい…。なんてやわらかさ…。

鶏刺しとはまったく違う食感なんです。

身を噛みしめると、キジ特有のぷりっとした肉質と野趣あふれる味わいが口の中に広がってうまい。

これだけでも十分「きじや」に来る価値がありますって。

そして、次のお豆腐も震えるほど美味しかった。

きじやさんのご親戚で人吉でも有名な「中島のとうふ」を朝から仕入れているらしく、大豆本来の香りがたまりません。

そして、なんといってもキジはが凄いんです!

この卵黄の味噌漬けの口当たりがねっとりとしてもう最高。

これをあっさりとしたロックで流し込むともう止まらんとですよ…

なんと椀物を開けるとそこにもキジの卵が!

まるでキジの生命力そのまま閉じ込められているくらい、卵の味わいが濃厚過ぎるんですよね。

その後も繊細かつ芳醇なきじの味わいを楽しみながら、しろを飲み進め…

あっという間にコースの前半戦が終了!

外をのんびり眺めながら、しばしのハーフタイム突入です。

ここ「きじや」でしか味わえない、自然が織りなす絶景と美食。

白岳しろで身を引き締めながら今回の主役を待ちます。

立ちのぼる煙の向こうに

いよいよ迎えた、本日のメインきじの炭焼き

さし身でも十分に食べられるという新鮮なキジ肉が店主によって運ばれ…

しっかりと火が起こされた炭がテーブルにセッティングされます。

“さあ、焼くぞ”と息巻いていたその時でした。

これまで口数の少なかった中島さんが、おもむろに口を開きます。

「きじは身が固くなりやすいので、くれぐれも焼きすぎないでください」

重い…なんて重い一言。

店の入口にあったキジの極意を店主直々に伝授された私は、今後一瞬の隙も生まないためにこのタイミングでしろを補充。

お酒も心も準備万端で、まずはモモ肉を焼き始めることに。

一瞬でも火入れのタイミングを間違うと一気に固くなってしまうキジ肉。

焼けるのを待つのではなく、焼けすぎないように全集中で見守ります。

うっすら肉の色が変わったらすぐに裏返して…

「きじや」自慢の味噌ダレに浸してから、口の中へ…

あー、これはヤバイ…。

食べた瞬間に甘い脂が口の中に広がって、きじ肉の旨味が体全体を一気に突き抜けていきます。

噛みごたえと柔らかさのバランスが凄すぎる…。桃太郎がお供に連れて行くのも納得の力強さですよ。

これは焼酎無しでは考えられないやつです。

はぁ。一瞬我を忘れてしまいました。

いかんいかん。

気を取り直して、次はきじの皮を焼いていきます。

皮から弾けた脂で自然と立ち込める、香ばしい煙。

しろ片手に、酒飲みにとって絶頂の時間がやってきました。

この皮も火が通り過ぎる前に…

一口で!

ああ、本当に幸せ。

生きてる間にこの味を知れてよかった…。

「雉も鳴かずば撃たれまい」なんていうけど、これは撃つって。信じられないほど柔らかくて、美味しいんですもん。

この後チャレンジした塩焼きも絶品。

その素晴らしい味わいに自然とお酒が進み…

無我夢中で食べ進めること10分弱。

あっという間に完食しました!

ただ、炭焼きコースはこれで終わりじゃないんです。

最後は「きじめし」で締めていきます!

きじの旨味を吸った出汁とふっくらしたご飯の炊き具合がベストマッチのきじめし。

もちろん、締めのご飯を食べる時もしろは手放しません!

前菜から炭焼き、そして締めのきじめしまで。超一流のきじ料理を堪能した最高の時間となりました。

きじやさん、ごちそうさまでした!

さて、今回の目的はあくまで「いい肉の日」に人吉の食文化を紹介すること。最後はなぜこの地できじ肉が食べられるようになったのかを中島さんに伺います。

「きじや」の起源と地元愛

--中島さん、今日は美味しい料理をありがとうございました。この土地では昔からきじ料理が有名だったんですか?

中島/喜んでいただけたようで良かったです。

キジが有名だからここが木地屋(きじや)町だと思われているけど、実は逆なんです。僕がきじや町できじ料理屋を開いたら面白いかなって始めたのが「きじや」なんですよ。

滋賀県できじ料理を修行して、帰ってきてからは山の向こうで雛からキジの飼育から始めました。1980年代に高速道路が完成してから人来るようになって、最近はインターネットを見て来られる県外のお客さんも多いです。

中島/きじって、実はなかなか面倒な食材なんです。

すぐに喧嘩するから飼育も難しいし、食べるためには細い小骨を全て取る必要があって全国でもキジを出すお店ってかなり少ないんじゃないですかね。

でも、うちのきじ料理を楽しみにこんな山奥まで来てくれてるお客さんがいますから。外の水車も球磨焼酎の瓶をオルゴールにして「五木の子守唄」を流したり、少しでも人吉を楽しんでもらえるように工夫してます。

中島/きじやを始める前は父がここで蚊取り線香の原料を作ってて、私は自転車でまだ舗装されてないジャリ道を通って市内の学校まで通ってたんです。

それが時代の流れとともに人吉が発展したおかげでこのお店も大きくなってきましたからね。球磨焼酎はもちろん、この土地の文化に少しでも貢献したいという想いを持ってこれからもお店を続けていきますよ。

白岳しろのボトルもまだ残ってるし、冬はきじ鍋や雑炊も美味しいので、また食べに来てください。いつでもお待ちしています。

--中島さん、本当にごちそうさまでした!

人吉市  木地屋町「きじや」

「いい肉の日」に地元の肉文化を紹介していい記事を書くために思い切って開けた門の奥には、絶品すぎるきじ料理と生まれ育った人吉の文化を守ろう奮闘する一人の料理人がいました。

みなさまが人吉に来られた際もぜひキジ肉を焼いて、その煙の向こうに見える「楽園」の存在を味わってみませんか。

その時はもちろん、白岳しろのロックを傍らに沿えて。

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