くま川鉄道・多良木駅前の老舗和食店「新辰巳」で、外カリ中ジュワの骨付き唐揚げにただ無心でかぶりつくという最高のジューシーランチを味わってきた【おいしい人吉、いただきます#2】
みなさん、今日のランチは決まりましたか?
前回から始まった、人吉球磨で絶対に食べてほしい1皿を蔵元が紹介するグルメ企画「おいしい人吉、いただきます!」
今回紹介する1品は、老若男女みんな大好き鶏の唐揚げ!
その中でも、なかなかお目にかかることが少ない「骨付き唐揚げ」をランチで食べられるお店があると社内で聞きつけて、やってきたのは…
くま川鉄道・多良木駅!
…の目の前にお店を構える
老舗の和食専門店「新辰巳(しんたつみ)」さんです。
看板に「総合宴会場」とあるように婚礼をはじめとした各種イベント時に利用されることが多い老舗の和食屋さんで、わたしたちの中でも新辰巳さん=宴会というイメージが完全に定着していました。
そんな中、当社社員から「新辰巳の唐揚げは絶品だけん、食わんと!」という美味しいタレコミをいただきましたので、今回ランチに初潜入です!
和食専門店が作る絶品唐揚げ
店内は非常に清潔で、和食店特有の凛々しい雰囲気があふれています。そして、カウンター奥には我らが球磨焼酎のノボリも!
カウンター横には少人数で食事を楽しめるお座敷もあり、わたしたちが靴を脱いで上がろうとしていると…
店員さん「あのお、みなさまにはお部屋をおさえておりますので…」
マジですか…。
そ、そんな歓迎いただける感じなのですか。
なぜか、少しずつ高まる緊張感。
そして、お通しいただいたのが…
梅の間!!
UMENOMA!!
部屋の調度品にも不思議な貫禄があり、そもそも唐揚げを食べるために「間」に通されたことが初めてで、謎の緊張感はここでMAXに。
本来料理を待っているあいだは馬鹿話をして盛り上がるのですが、この日は梅の間の空気にみな緊張気味で「今週は天気も下り坂ですね」みたいな敬語混じりの時候の挨拶のような会話しかできなくなってしまいました。
おそるべし「間」の持つオーラ…。間に通さたにもかかわず間が持たなくなるという、まさかの特異体験をしてしまいます。
お茶を飲みながらお互いたどたどしい会話して、待つこと10分…
店員さん「お待たせいたしましたー」
ついに、唐揚げ定食とご対面の瞬間!!
さあ、やってまいりました!
多良木・新辰巳の唐揚げ定食(1100円/税込)。
えっ?
上からの写真だと、少し唐揚げが小さく見えるって?
ドーーーン!!
横から見るとこの迫力ですよ。新辰巳さんの骨付き唐揚げは。
衣が本当に綺麗で、見るからにカリカリ。たしかに大きいんですけど、どこか和食専門店ならではの品があるんですよね。いやー、美しい。
アツアツをいただきたいので、さっそくかぶりつかせていただきます。
それでは…
おいしい人吉、いただきまーす!
カリッ…!
まずやってくるのは、心地よい衣の弾けるいい音。
この音はなんとしても後世に遺したい。
その直後、口の中に鶏の旨味がそのまま溶け出したような肉汁がジュワ~っと拡散していきます。あえて、食レポ風に表現するとしたら「これは肉汁のリツイートやー」となるんでしょうね。
口の中が肉汁の至福に包まれているのは一瞬!
すかさず、ここでお米を投入です!
お米の炊き加減も素晴らしい…。
鶏の肉汁を受け止めるしっかりとしたお米の硬さと旨味。この瞬間、お米の国・日本に生まれて本当に良かったと思ってしまいました。
さて、2つ目の唐揚げは味変(あじへん)いっちゃいましょう!
定食の真ん中に鎮座するのは特製ポン酢。
そのポン酢にダイブさせた唐揚げに辛子をちょんちょんと合わせることで、これまた濃厚な肉汁がサッパリと味わえちゃうんですよねえ。
これは…止まんなくなってきたぞ。
このあたりから、徐々に発言も少なくなり。
上品な味わいのお吸い物で、口の脂をいったん清めて…
いい塩梅で味付けされた小鉢を挟んだら…
再度唐揚げに戻ってくるという無限ループを繰り返すこと
約10分弱…
ふぅー、大満足。
完食でございます。
ボリュームがありすぎて1個唐揚げを食べきれなかった同僚の分もいただいたので、この日は計骨付き唐揚げ4つを完食。
心なしか骨も喜んでくれているような気がします。
この後、仕事ができるのかと不安になるくらいお腹パンパンな状態。
食べ盛りの高校生とかでも十分満足できるボリュームだと思います。
新辰巳さんの骨付き唐揚げ、噂通り最高のジューシーさでございました!
おいしい人吉、ごちそうさまでした!
唐揚げの秘訣と宴会の変化
-米満社長、骨付き唐揚げ絶品でした!味の秘訣を教えてくださいますか?
米満社長(以下米満)/いえいえ、とんでもないです!うちの唐揚げは肉をブライニングして、丁寧に揚げてるだけですから…。※ブライニング=水、砂糖、塩などを合わせたブライン液に鶏肉を漬け込んで柔らかくする調理工程
インタビュー中は万事控えめな米満社長。新型コロナウイルスの流行後、新辰巳の柱だった宴会が激減したことを教えてくれました。
米満/うちは結婚式、法事、節句のお祝いなど各種宴会を承っていますが、時代の移り変わりとともに宴会自体も徐々に少なくなっていました。
ただ、新型コロナウイルスの流行で宴会は壊滅的な状況になりましたね。基本的に食事されるお客様も3~4名の少人数スタイルが主流になってます。
米満/うちとしても生き残っていくために物産館に商品を納めたり、テイクアウトを始めたりと色々と挑戦しています。自分は料理人でありながら経営者でもあるので、常に危機感を感じながら日々商売をしています。
「宴会」の持つ魅力
米満/色々とお話しましたが、それでもやっぱり自分は宴会が好きですね。
これは人吉球磨特有の文化で今は少なくなっていますけど、こっちでは結婚式も「本座(ほんざ)」と「後座(あとざ)」という2部構成なんですよ。
本座はお昼の12時ごろ始まって親族中心に80人程度が食事をする式で、後座は地域の人たちが両人を祝うために夕方の17時ごろから200人ぐらい集まって飲み食いする本当の大宴会です。
米満/この本座と後座が組まれている日は、うちの厨房も修羅場になります。
息つく暇もなく料理を作って運び続けるんですけど、本当に宴会に参加してる人たちの顔がみんな楽しそうでいい顔をされているんですよね。子供の頃から親父たちの傍らでその光景を見てきたんで、やっぱり宴会特有のあの雰囲気は何にも変えがたいなと思ってます。
あと自分は料理が大好きなので、またいつか大宴会が普通に開けるようになった時にはバリバリ腕をふるいたいと思っています。
-米満さん、本日はごちそうさまでした!
米満/うちは宴会場ということで夜のイメージが強いですけど、お昼は唐揚げ以外にも丼や各種定食・弁当などいろいろ取り揃えていますのでいつでも気軽に食べに来てくださいね。
もちろん、夜の宴会もお待ちしております!
本日紹介したお店