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3年ぶりに営業再開を果たした甲佐町 やな場の絶品鮎を肴に、涼を取りながら白岳しろで一杯やるのがこれまた最高な大人の遊びだった!

鮎(あゆ)とは無縁の人生を送ってきました。

朝の情報番組で京都特集とかを横目で見ては「へー、鮎って美味いんだろうなー」なんて思いながらカップ麺をすすってきた学生時代。自分にとってayuは聴くものであって、味わう対象ではなかったんですね。

そんな鮎と縁遠かったわたしが、ある朝こんな記事を見つけます。

熊本県・甲佐町で江戸時代から続く伝統施設「やな場(ば)」

新鮮なが味わえる名所として地元でも長年愛されてきたスポットで、毎年やな場を楽しみに県内外から多くのお客さんが訪れていました。

そして記事によると、2020年の感染拡大を原因に営業を休止したやな場を自らの手で復活させようと奮闘する地元・甲佐町若手有志がいるとのこと。

この記事を見た瞬間、こんな想いが頭の中をよぎりました。

「そんな熱い想いを持った人たちに是非会ってみたい!…鮎、食べたい」

「再生への取り組みを詳しく聞いて記事にしたい!…鮎、食べたい」

「アユ、タベタイ」

記事を見た瞬間の思考回路

すんません。本音言います。

「先生、鮎が…食べたいです…。」

というわけで…今回は絶品鮎白岳しろを味わいに甲佐町やな場に向かい、やな場再生のストーリーを伺ってきました!

甲佐町・やな場に向かう

やな場がある上益城郡・甲佐町は熊本市から車で40分弱

甲佐町の中心街から少し入った所に大きな看板があり、初めてでもわかりやすいです。

車から降りて、さっそく入口へと向かうと

なんとも歴史を感じられる精悍な佇まい

受付からの風景

一歩足を踏み入れると、すり鉢状のやな場を見通すことが出来る開放感のある造りです。

いざ外に出ると…。

そこには、今まで見たことのない非日常な涼の空間が広がります。

天気も最高で、一つの舞台のよう。

すのこ状に並べられた竹が「やな」という仕掛けで、ここに掛かる魚を見ながら食事をするのがやな場の醍醐味なんですね。ちなみに、白岳しろの地元人吉でも「尺鮎(しゃくあゆ)」という清流・球磨川が育んだ大きいサイズの鮎が有名なので、こちらも次回食べに行きたい。

そして、そんな絶景を横目に、席へと向かいます

通していただいたのは水音が間近で聞こえ、風が通り抜ける最高の席

さっそく最上級の「やな場コース」と…

われらが白岳しろを注文!

満を持して、と対面していきたいと思います!

白岳しろ到着、そして鮎のはじまり

注文してから、待つこと5分…

「お待たせしましたー」

従業員の方の笑顔がこれまた素敵!

氷、お水、炭酸水という最強布陣を引き連れて、まずはわれらが白岳しろのボトルセットが到着します。

いい画だ

そこから更に5分…

ついに、ついに…

夢にまで見た、念願の鮎が到着しました!

う、美しい

まずは、豪華鮎メンバーを一挙紹介!

鮎のお刺身

鮎の南蛮漬け

鮎の内臓を塩辛にした「うるか」

鮎のお吸い物

これに対して、白岳しろは水割りから開始!

氷をたんまり入れて

しろを半分注いだら

もう半分、水を入れていくと…

しろの水割り、通称「しろ水」が完成!

まあ、このしろ水が合うこと合うこと。

しろ水に合わせて、新鮮な鮎たちを一気に食べ尽くしていきます。

ふう、満足満足

景色も最高だし、最高の昼下がりですな。

実は、ここからが本命だった…

「はい、続いては鮎の塩焼きと味噌焼きになりまーす」

ここで、まさかのダブル鮎登場!?

刺身、南蛮漬け、お吸い物で少なくともここまで2尾は食べている中にメインの塩焼き味噌焼きが。さすが、やな場。手を緩めてくれません…

このメインには、しろのハイボール「しろハイ」でいきましょう!

しろをグラス4分の1入れたら…

炭酸水をグラスになみなみと注いでいけば

しろハイの完成!

このしろハイに合わせて、まずは定番の塩焼きからいただきます!

身に弾力があって、塩加減も絶妙…。 

なにより、焼き立てでホクホクしててたまんないっす。

焼きたての鮎、すごい…。

次は味噌焼きいってみます。

塩焼きもいいですが、味噌焼きも甘めの味噌が鮎のさっぱりした脂と混ざりあって、風味がすごく引き立ちますねー。

鮎の味噌焼き初めて食べましたけど、これはしろハイに合う!

塩焼き味噌焼きのダブル食い。骨も柔らかくて一気に食べちゃいました。今までのへのイメージを一新された、奇跡体験でしたね。

ふう、満足満足。いいお味でした。

やな場はここで終わらない

「はい。最後はご飯、うなぎ、早川そうめん、香の物ですね」

な、なんですと!?

まるで、今食事が始まったかと思うほどのボリュームとまさかのうなぎ…。

そちらがそう変化して来るなら、こちらも白岳しろ3段活用最終形態「しろロック」で締めていこうじゃありませんか。

まずは、肉厚なうなぎを箸で捕獲!

見てください、この弾力あふれる身を!

箸先がプルプルしています。

もちろん、このまま口に運ぶのではなく…

ご飯の上にトントンと3回ほどダイブさせタレをご飯に染み込ませた

一口うな重をお口の中へと…

これは…

これは…

うまいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!

押し返してくる身の弾力
表面のパリパリした皮目の絶妙なハーモニー。思わずアリーナにマイクを向けたくなる旨さです…。

そして、うなぎの脂とタレの旨味が口の中から消えない内に…

しろロックを注入!!!

これも…

たまんないぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!

口の中が幸せの混沌で溢れかえってきた。

まさかのうなぎが不意打ちでしたが、しろロックのほのかな風味も合わさってまあこれが美味しいんです!

取材を忘れて、無言で貪っておりました。

本当にもう何も入らないくらい大満足…。

これにて「やな場コース」終了です!

やな場さんごちそうさまでした!

やな場再生のストーリー

ちょうど食事が終わったところに、このやな場を2022年6月から運営している一般社団法人パレット大滝代表が到着。

この地域の伝統施設を、なぜ自分たちの手で再生しようと思ったのか
そこに秘められた、地元・甲佐町への熱い想いを聞きました。

-大滝さん、鮎もうなぎも絶品でした!

大滝/喜んで頂けたようで良かったです(笑)。
やな場で使っている鮎やうなぎは地元産にこだわっているので、そう言っていただけると素直に嬉しいですよ。

僕が代表を務めているパレットは地元・甲佐町の若手が集まって立ち上げた組織なんですけど、このやな場もその仲間たちと再生に乗り出したんです。

おかげさまで、再開以来多くのお客様に足を運んでいただいてます。

-そもそも、なぜこのやな場を再生しようと思われたんですか

大滝/そうですね。まずは自分たちの活動について話しましょうか。

自分たちはこれまで甲佐町活性化させるという目的をもって、このやな場だけではなく古民家を活用した宿泊施設レストランの運営にも携わってきました。メンバーもほとんどが甲佐町の生まれです。

地元で働く中で若い世代が減っていることに課題を感じてて、人口1万人の甲佐町を倍の2万人にできたら街も盛り上がるんじゃないかっていう若手の飲み会での会話から少しずつ活動が始まったんですよ。

大滝/そこから色々な取り組みをしてきましたが、このやな場については当初自分たちで立て直すつもりはなかったんです。鮎の扱いも知らなければ、再生ノウハウも全くありませんでしたから。

ただ、このやな場は甲佐町の住民にとっては大事な心の拠り所で、僕も小さい頃から地元にやな場があることを誇りに感じていました。

町としても2020年から休業しているやな場をなんとか復活をさせたいと考えていたんですが、働いていた方々がご高齢ということもあり、外部の会社に委託しようかという話が出始めてたんですね。

大滝/そこで、思わず手を上げたのが自分たちです。甲佐町を盛り上げるという使命を持って活動していたので、外部の人達に任せるなら自分たちでやりたいと思うようになったんですね。

ただ、初めは大変でした。壊れた箇所を修理するのも一苦労で、経験豊富な地元のベテランの方にお話を伺ったりお手伝いいただきながら、住民の皆さんと二人三脚で再生に取り組んだんです。

鮎料理も一から仕込んでもらっていて、うちのレストランなどで勤めていた料理長が今も修行中です。

鮎料理を修行中の又野料理長

大滝/そこからクラウドファンディングも積極的に活用して、ようやく今年の6月からなんとか営業再開することが出来ました。

今までは夏期営業だけでしたが、通年営業に変えて冬にはジビエ料理に挑戦して地元の人に愛される新しいやな場を作っていくつもりです。

僕は「自分たちが楽しむこと」が1番大事だと思っているので、今後も自分たちが楽しいと思うことを突き詰めて甲佐町を元気にしていきますよ!

-大滝代表、本日はありがとうございました!

大滝/僕よりも、ぜひ料理が美味しくみえるようにしてくださいね(笑)。

これからも、甲佐町を盛り上げるためにどんどん面白い取り組みを仕掛けていきますので、ぜひまた来てくださいよ!

それまで、今回のボトルはキープしておきますから。

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