見出し画像

ホワイト・クリスマスには真っ白のケーキに白岳しろを沿えて。お菓子教室の先生に弟子入りして人生初のケーキづくりに挑戦してみた!

舞い落ちる白雪が聖夜を彩る、ホワイト・クリスマス。

あまり雪の降らない九州では滅多にお目にかかれない光景ですが、ここ熊本にも全国へ発信したい純白のクリスマス文化があります。

それが、白岳しろ(ホワイト)・クリスマスです。

しろは多彩な食材が使われるパーティ料理との相性も抜群。ラベルも白地なので、実はクリスマスにぴったりのお酒なんですよね。

そして、こうしたホワイト文化をさらに盛り上げるため、今回手作りしようと思い立ったのが真っ白なクリスマスケーキでした!

ただ、意気込んでみたもののお菓子作りの経験が一切ない私。自分一人ではどんな材料を買っていいのかさえもわかりません。

そんな状況を各所に相談したところ“面白そうですね!”と快く応えてくれたのが熊本でお菓子教室を主宰する宮本 美紀先生です。

PROFILE 宮本 美紀 MIYAMOTO  MIKI
HMIKIフランス菓子教室 代表/お菓子教室の生徒としてフランス菓子に出会ってから講師としてのキャリアを磨き続け、現在は自宅で教室を運営

普段は自宅でお菓子作りを教える宮本先生。初級者から上級者まで、その生徒にあったペースで幅広いレシピを指導しています。

このたび目指すのは可愛いサンタが上に乗ったイチゴのショートケーキ。

プロの先生にケーキ作りを習って白岳しろとのペアリングを楽しみながら、最高のホワイト・クリスマスを迎えていきます!

まずはスポンジ作りから

--先生、本日はよろしくお願いいたします!

美紀先生/今日はNoel  Blanc(ノエル ブラン)というケーキを作ります。白岳しろにあわせて、フランス語で「白いクリスマス」というネーミングにしてみました。

美紀先生/私もサポートに入りますが、主役はあくまで生徒さんですので頑張ってスポンジから作ってみましょう。

まずは、スポンジの土台となる卵を混ぜていきます。

美紀先生/そうそう、いい感じですよ。

卵がよく混ざったら水飴(みずあめ)と…

美紀先生/グラニュー糖を入れて

美紀先生/フライパンで湯せんして人肌まで温度を上げていきます。

美紀先生/さあ、ここがスポンジ作りで最も重要な行程です。

ハンドミキサーで泡立てていきますが、しっかりと空気を入れられるかでふんわり感が全然違ってくるので頑張りましょう!

初めは高速で徐々にミキサーの回転を落としながらじっくり泡立てます。

--こ、腰が痛くなってきました

美紀先生/教室に来られる男性の生徒さんも「お菓子作りって結構体力いるんですね」っておっしゃる方が多いです(笑)。まあ、慣れもありますよ。

美紀先生/あ、かなりいい具合に泡立ってきましたね。

美紀先生/次はこの泡立てた生地に加える小麦粉をふるいにかけて

美紀先生/こんな感じでヘラを回転させながら、2~3回に分けて混ぜ合わせていきます。

美紀先生/ここまで来たらラストスパートです。湯せんで温めた牛乳とバターを生地に投入したら…

美紀先生/クッキングペーパーを引いたケーキ型に流し込んでいきます。

美紀先生/生地を型に入れ終わったら、予熱170℃に設定したオーブンで焼いていきます。

美紀先生/スポンジは一旦ここまでです。初めてだから結構疲れたでしょう?生地が焼き上がるまで少し休憩にしましょうか。

お菓子づくりの原点とは

--先生はパティシェのご出身なんですか?

美紀先生/いえ、私はもともとお菓子教室の生徒側だったんですよ。

結婚して通い始めた教室でフランス菓子への興味を深めて、生徒からアシスタントへ転身したんです。その当時の恩師からお菓子作りの基礎や講師としての心構え、教室運営のノウハウなどを厳しく指導いただきましたね。

その後、もう一人の恩師である熊本を代表するシェフの教室で主任講師として生徒を指導しながら、お菓子作りの技術をさらに磨き上げていきました。振り返ると、この二人の恩師のおかげで今の自分があると思ってます。

美紀先生/結局は生徒さんが楽しそうにお菓子を作っている様子やその人が見違えるように成長していく姿を見ることが好きなんでしょうね。

自らのスキルを磨くため日本中の講習を受けたり、フランスにまでレッスンを受けに行ったこともありましたけど、結局は今日のように誰かと一緒に楽しくお菓子を作っているときが一番充実している気がするんです。

美紀先生/お菓子もお酒も人生を豊かに彩ってくれる素敵な要素ですよね。上手に作ることより、まずはこの時間を心の底から楽しんでいただくことを大事にしています。

あ、そうしている間に焼けたみたいです。さっそく取り出しましょう!

美紀先生/うん、いいじゃないですか!このスポンジを十分に冷ましたら、次の工程に移っていきますよ。

美紀先生/はい。しっかり粗熱も取れて、凄くいい感じに出来ました。

美紀先生/このスポンジを今からカットしていきます。まずはこんな風に上と下の部分を切っていきましょう。

美紀先生/スポンジを回しながら、刃を少しずつ中央に入れるイメージです。

美紀先生/上下が切れたら、次は中心部分をカットしていきます。

美紀先生/いやー、いい感じ!本当に初めてとは思えないくらい上手ですよ。

こんな風に2等分したら次はイチゴの準備ですが、ここで大事なのは水で実が膨らむのを防ぐためにイチゴを洗わないことです。

美紀先生/縦に4等分ぐらいの薄さでスライスしていきます。

美紀先生/イチゴをカットしたらスポンジに風味と湿り気を与えるためシロップを塗っていくんですが、この行程をアンビベといいます。

美紀先生/シロップを塗り終わったら、次はホイップクリームです。

美紀先生/今回は脂肪分42%の生クリームとグラニュー糖とバニラで上質を追い求めて「クレーム・シャンティイ」を作ります。

氷水に付けて分離しないように混ぜながら、これくらいのツノの固さ(8分立て)を目指してホイッパーで泡立ててください。

美紀先生/スポンジにクリームを広げて…

美紀先生/その上にイチゴを並べていきます。

美紀先生/うん、ケーキらしくなってきましたね!

そしたら、イチゴの上にまたホイップクリームを馴染ませて…

美紀先生/もう一枚のスポンジで蓋をして、またシロップを塗っていきます。

美紀先生/いや、ここまで本当によく頑張りましたね。最後はいよいよケーキづくりの集大成“デコレーション”に移りましょう!

ケーキ作りもクライマックスへ

美紀先生/クリームでスポンジにコーティングすることを専門用語でナッペといいます。初心者には少し難易度が高いですが、せっかくなので今回は挑戦してみましょうか。

美紀先生/ナッペのポイントは刃の角度を一定に保ちながら、ケーキを回転させて余分なクリームをきれいに落としていくことです。

美紀先生/初めてにしては上出来!ここに最後の飾り付けをしていきますね。

美紀先生/上に飾るイチゴは、可愛くハート型にくり抜きます。

美紀先生/いよいよホイップクリームの飾り付けですね。こんな感じで手前にグッと出して、シュッと後ろに引いていく感じです。

--これは、結構難しいですね

美紀先生/まあ、初めてですからね(笑)。でも悪くないですよ。

クリームを絞り終わったら、先程くり抜いたハートを間に飾り付けていきます。

美紀先生/最後にクリスマスのオーナメントやミントを盛り付けて

美紀先生/上から粉雪のような粉砂糖をふりかけてあげると…

美紀先生/Noel  Blanc(ノエル ブラン)の完成です!

美紀先生の強力なサポートもあって完成した人生初の手作りケーキ!

ちなみにこれが私が作った渾身の作品で

こちらが美紀先生のお手本です。

形だけ見ると確かに雲泥の差なんですが、なぜか自分が作ったケーキって愛おしく見えてくるんですよね。

さあ、ここからホワイト・クリスマスを彩るためにこの自作ケーキと白岳しろをペアリングしていきます!

メリー・ホワイト・クリスマス!

ケーキはキレイにカットされてお皿へ。断面もすごく美しくてハートのイチゴがクリスマスの雰囲気を醸し出します。

さっそく、白岳しろで先生と乾杯!

--先生、もしよろしければ私が作ったケーキを試食いただけますか

美紀先生/わかりました。それではいただきます!

美紀先生/あ、美味しい!

美紀先生/スポンジもふわふわで生クリームのコーティングもいい感じです。ぜひ、一口食べてみてください。

--自分が作ったとは思えない美味しさ…。すかさずしろを合わせていきます!

ああ、合う。美味しい。

ショートケーキとしろの相性も確かにいいんですが、ここのホイップクリームとスポンジがすごく洗練されていてお酒と合うんです。

この秘密を先生に聞いてみました。

美紀先生/そうてすね。うちのケーキは教室に来る生徒さんからも「お酒に合う」っておっしゃっていただくことが結構多いんです。

教室ではスポンジやクリームの材料にも良い素材を使うようにしているので、上質な味わいのしろとは特に合うのかもしれませんね。

このあともお酒と一緒に食べ進めて、あっという間にケーキを2つも完食!

--先生、本当にありがとうございました!

美紀先生/今日は一気にケーキづくりを体験いただきましたが、本来であれば長い時間をかけてじっくりと基本から教えていきますのでぜひまた教室にいらしてください。初心者の生徒さんも大歓迎です!

今年は手作りのケーキと白岳しろで特別なホワイト・クリスマスはいかがですか?みんなで作ったケーキは絶対に忘れられない思い出になるので、ぜひ挑戦してみてくださいね!