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料理教室の先生に米焼酎に合うおつまみを作ってくださいとお願いしたら、レシピは超絶簡単なのにお店で出てくるような絶品プレートが完成してちょっと震えてしまった話

本格米焼酎は素材の味を引き立てる食中酒

そのまま飲んでも美味しいですが、料理おつまみとのペアリングによってその魅力がさらに際立つお酒でもあります。

そして、今回訪ねたのはそんな美味しい料理を伝えることに日々情熱を注ぐ熊本の料理教室「シェフドママン」三上 絵理さん。

PROFILE 三上  絵理(みかみ  えり)
熊本の料理教室「シェフドママン」オーナー講師。調理師専門学校卒業後、料理人の道へ進み、福岡や熊本のフレンチレストラン・ホテルで修行。結婚を機に料理教室を開業

TVや情報誌でもたびたび取り上げられる人気講師の三上さん。料理人時代に学んだ知識や経験を活かしながら、現在は講師として生徒さんたちに料理の楽しさを教えています。

その三上さんに、昔から温めていた「いつも教える側の料理教室の先生が、作る方に本気出したら凄いおつまみ出来る説」という食い意地の張った企画をダメ元で提案してみました…。

すると「そんな事なら、全然作りますよ!」と明るい声でまさかのご快諾!

ということで、今回は三上さんに米焼酎と相性抜群なおつまみ作りに挑戦してもらい、そのレシピと料理教室の魅力を広く発信していただきます。

おつまみ作りスタート!

-三上さん、よろしくお願いします!

三上/それじゃ、さっそく作っていきましょうか。今日はお家でも簡単にできるおつまみメニューを三品作っていきたいと思います。

一品目/タタキ鮪(まぐろ)のトロロ掛け

材料
《タタキ鮪(まぐろ)》
マグロの柵/100グラム 長芋/5センチ程度 わさび/少々
《出汁しょうゆ》
こいくち醤油/大さじ2    みりん/大さじ2  かつお節/ひとつまみ

三上/まずは、出汁しょうゆから作ります。

耐熱容器にしょうゆみりんを合わせて600Wの電子レンジで1分間加熱したら、熱いうちにかつお節を投入します。

粗熱(あらねつ)をとる間にかつお節からいい出汁が出るんですよね。自然と味が馴染んでいくので、このまま放っておいてOKです。

つぎは、メインのを炙っていきましょう。

バーナーがあるとお家でも簡単に炙り料理ができるのでオススメですよ。うっすら焦げ目が付くまで炙ったら、氷水に入れて身を急冷します。

1分くらい漬けて水気をよく拭き取ったら、一口サイズにカットして…

お皿に盛り付けたら完成です。

食べる直前に長芋すりおろし、ワサビ、出汁しょうゆを掛けていただきます。鮪の種類は基本的に何でも大丈夫ですけど、個人的には最近出会ったコシナガマグロで作ったらすごく美味しかったです!

二品目/洋風味噌豆腐

材料
絞り豆腐/150グラム程度
《味噌ペースト》
白味噌/大さじ2    みりん/小さじ1 粉チーズ/小さじ1   オリーブオイル/少々

三上/豆腐の味噌漬けといえば、白岳のある人吉球磨地方の名産ですよね。

この前、家族で人吉旅行に行ったときに食べてとても美味しかったので、今回洋風にアレンジしてみることにしました。

まずは、ボウルに白味噌とみりんを入れて味噌ペーストを作ります。

ここで欠かせない隠し味粉チーズです。

粉チーズを入れるとコクがでて、味も自然と洋風になってくれるんですよ。

そして1/2の厚みにカットした絞り豆腐に味噌ペーストを塗っていきます。

お豆腐は必ず絞り豆腐を使ってくださいね。普通の豆腐だと水分が多いので、崩れてボロボロになっちゃいますから。

味噌ペーストを塗り終わったらクッキングペーパーで包んで、上からラップで包みます。これを1日~1週間寝かせると完成です。

寝かせた味噌豆腐を食べやすい大きさにカットして、仕上げにオリーブオイルをひと垂らし。このオリーブオイルで豆腐の印象が全く変わりますよ。

三品目/南関素麺のソルティカクテル

材料
南関素麺/一束(約50グラム) 
はまぐりエキス入りトマトジュース/1缶(約160CC)
プチトマト/8個  大葉/2枚  /少々  砂糖/少々 レモン自然塩(グラス用)  

三上/最後は南関素麺(そうめん)のソルティカクテルです。親戚が南関素麺を作ってるんですけど、普通の素麺より細くて口当たりが良いんです。イメージとしてはパスタのカペリーニとかに近いかもしれないですね。

湯むきしたプチトマトを半分にカットして、ボウルに入れます。そこに塩と砂糖を混ぜ合わせて、はまぐりエキス入りトマトジュースを加えたら、千切りにした大葉を加えて漬け込むとトマトソースのできあがり。

今回はソルティカクテルなのでグラスの口を柑橘で湿らせて、自然塩をつけておきましょう。

トマトソースとグラスの準備が出来たら、素麺を茹でていきます。

茹で時間は1分くらいで、茹で上がったらフォークに巻き付けた素麺をグラスにくるくるっと巻いてください。

仕上げにトマトソースを注いで、プチトマトを盛り付ければ完成です。

南関素麺の口触りと爽やかなカクテルの酸味、そして自然塩の柔らかな味わいが調和している私も大好きな一品です。

最後は彩りで、うちで作り置きしてる小松菜と油揚げの煮びたしを盛り付ければ

おまたせしました…。シェフドママン風 米焼酎の絶品おつまみプレートが完成です!

さっそく、お酒と合わせてみましょう!

米焼酎とのペアリングを行うのは…

三上/実は私が飲めないので、今日はお酒をこよなく愛するうちの夫にペアリングしてもらいます。

辰仁さん/シェフドママン代表で夫の三上 辰仁です。今日は飲めない妻の代わりに、思う存分堪能させていただきます(笑)。

三上/夫はMY企画という建築会社の代表も勤めていて、料理教室の設備回りや施工も担当してくれてるんです。

辰仁さん/僕は魚料理が大好きなので、まずは鮪のタタキから。

三上/トロロとワサビを乗せたあとに、出汁しょうゆを掛けてね。

辰仁さん/うん…うん。

三上/“うん”じゃなくて「美味しい」でしょ?

辰仁さん/お、美味しいです…。赤身とトロロの相性が抜群だし、炙りの風味もいいね。あと出汁しょうゆとワサビが本当にいい味出してて旨いよ。

ここですかさず、しろの水割りを一口。

辰仁さん/いやあ…美味しい!やっぱりしろは魚料理に合う。なにより昼から飲めるのが最高(笑)!次は洋風味噌豆腐いってみよう。

辰仁さん/この豆腐の味噌漬けチーズが効いてて美味しい。あとオリーブオイルが絶妙なアクセントになってて、イタリアン風にアレンジされてるのもすごく新鮮だね。

辰仁さん/うん、これも合うなあ。さっぱりとした魚料理にも合うけど、こういうコクのあるおつまみにもしろは間違いないね。

三上/南関素麺のソルティカクテルも美味しいから食べてみて!

辰仁さん/南関素麺、やっぱり口当たりいいね。このトマトソースも魚介の風味が効いて本当のスープみたいな味がする。

三上/ソルティドック風にグラスに塩をつけたから、そのまま飲んじゃっても大丈夫だよ。

辰仁さん/柔らかい塩味とトマトソースがめちゃくちゃ合うな!よし、この辺でお酒を白岳KAORUに変えてみよう。

三上/白岳KAORUって、テレビCMが流れてるよね。最近よく見る気がする。

辰仁さん/うーん、確かにいい香りだ。これも水割りで飲んでみよう。

辰仁さん/あ、これ美味しいわ!あくまで好みだけど、僕は白岳KAORUの方がキレがあって好きなタイプかも。

辰仁さん/そして最後はうちの小松菜と揚げの煮びたしね。

三上/シンプルだけど、出汁から引いてるから味はしっかりしてると思うよ。

辰仁さん/うん。やっぱりこういう家庭料理の味が一番安心できるね。出汁もしっかり効いててすごく旨い。これぞ我が家の味だね。

最後にもう一杯だけKAORUいっとこう。

辰仁さん/ふぅー、料理もお酒も最高だった。ごちそうさま!

三上/喜んでもらえたみたいで良かった。夫は本当に酒好きなんで、自然とお酒に合うメニューが上手くなってるのかも。

辰仁さん/僕は週1回の休肝日以外はしっかり飲んでますからね(笑)。

料理教室の醍醐味とは

-どうして三上さんは料理教室を開こうと思ったんですか

三上/もともとレストランやホテルで料理人として働いていたんですけど、結婚を機に辞めて料理教室を始めました。最初は仕事というよりも、ご近所の主婦仲間を集めたサークルのような形式でしたね。

ありがたいことに、少しずつ生徒さんが増えて3年前会社にしました。今は初級者から上級者まで、コース別に幅広く教えてます。

-教室にはどんな目的で来る方が多いんですか

三上/本当に色んな目的でいらっしゃいますよ。結婚するので料理を覚えたいという方もいれば、「自分の調理法は本当に正しいのか復習したい」というベテラン主婦の方なんかもいらっしゃって結構面白いです。

最近ではステイホームの趣味として料理を始める方も増えましたし、男性の生徒さんも昔に比べると本当に多くなりましたよね。

-料理教室で教えていて、なにか感じることはありますか

三上/そうですね。まず、自分で作るのと人に教えるのでは求められるスキルが全く違うってことかな。例えば私は材料も目分量で分かりますけど、教える時は毎回分量を計って数字で伝えるようにしています。生徒さんによって感覚も違うので、教える側の伝え方もとても大切なんですよ。

もう1つは、生徒さんの変化ですかね。

コンビニや宅配の進化で自炊と便利なサービスが使い分けできるようになって、全く料理の基礎を知らない生徒さんも増えました。「目玉焼きってどう作るの?」みたいな質問も結構ありますよ。

でも、そんな生徒さんがうちの教室で基礎を習得した途端に爆発的な飛躍を遂げることがあるんです。そんな成長を日々間近で実感できることが、料理教室を運営する醍醐味かもしれません。

-今後の抱負を教えていただけますか

三上/生徒さんたちに日々料理を教えていて、改めてうちのような料理教室は地域に必要な存在だなって考えるようになりました。料理を覚えたことで自信が生まれ日々の暮らしが劇的に変わったという生徒さんも多いんです。

「苦痛だった夕飯作りが楽になった」とか「家族が美味しいって喜んでくれるようになった」みたいなお声をいただくと本当に嬉しいですね。

今後も料理を通じて生徒さんの人生を後押ししたり、料理って楽しいってことを伝える存在として地域に根ざしていきたいと思います。

-三上さん、本日はありがとうございました。

辰仁さん/夫婦揃っての取材ってなかなか無いんで楽しかったです(笑)。

三上/料理が習いたくなったら基礎からみっちりご指導いたしますので、いつでも来てください!